インボイスを発行しなくてもよい場合


今回はインボイスを発行義務がなくなる場合について説明します。
特殊なパターンについては省略します。

重要性が乏しいもの

船舶・バス・鉄道などの公共交通機関の運送代で、税込み金額が3万円未満のものについては、重要性が乏しいため、インボイスの交付義務が免除されています。

事業上、交付が困難なもの

卸売市場の生鮮食料品等の販売や、農協に関係する農林水産物の販売についてはインボイスの交付義務が免除されています。

交付義務が免除される理由
農家が育てた野菜は、市場や農協を通じて小売業者に販売されます。
農家 → 農協等 → 小売業者 → 消費者

農協は、農家から販売委託された野菜を小売業者に販売する際、野菜の生産者(農家)を特定せずに、小売業者に出荷します。誰の野菜を売ったかは特定できなくなるため、課税事業者である農家のインボイス発行義務を免除しています。

もう少し具体的に見ると
農家A(免税事業者、インボイス交付義務なし)
農家B(単なる課税事業者、インボイス交付義務なし)
農家C(インボイス発行事業者、インボイス交付義務あり?)が、
同じ野菜を農協に無条件で出荷した場合、
インボイス発行事業者である農家Cは、
インボイスを交付する義務が免除されます。

農協等が小売業者に対して大量の野菜を出荷するときに、この野菜はAが育てたもの、Bが育てたもの、Cが育てたものと区別できないからですね。

取引上、交付が困難なもの

交付が著しく困難な取引2つについては、インボイスの交付義務が免除されています。

1つは、自動販売機・自動サービス機です。
 自動販売機にインボイス交付機能を設けることは、ほぼ不可能ですので交付義務が免除されています。ただし、税込み3万円未満に限定されています。

もう1つは、郵便ポストです。
郵便ポストにインボイス交付機能を設けることは、ほぼ不可能ですので、自動販売機と同様インボイスの交付義務が免除されています。

売上返還インボイスの場合

売上返還インボイスについても上記3つ(重要性が乏しい、事業性質上難しい、取引の性質上難しい)の場合は、売上返還インボイスの交付義務が免除されています。

売上時にインボイスの発行義務が免除されているのに、売上返金時に売上返還インボイスの発行義務があると矛盾するからです。

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