今回は、リース譲渡で時価を超える下取りをした場合を確認してみましょう。
法人税の取扱い
一定の賃貸借契約については、
資産の売買があったものとして取り扱われます。
貸し手は、資産を売却したことになります。
「リース譲渡」といいます。
リース譲渡で時価を超える下取りがあった場合は、
・下取資産を時価で取得
・時価を超える部分については、リース譲渡の値引き
として取り扱う必要があります。
リース譲渡でない場合、時価を超える部分については、
寄附金や交際費等に該当することも考えられます。
具体例
例えば、次の場合で確認してみましょう。
・リース譲渡の対価 200万円
・下取資産の時価 100万円
・実際の下取資産の価額 160万円
(売上原価等は考慮していません。)
リース譲渡の場合
借方 | 貸方 |
---|---|
現預金 200万円 | リース売上高 200万円 |
下取資産(時価) 100万円 | 現預金 100万円 |
リース売上高(値引き) 60万円 | 現預金 60万円 |
リース譲渡でない場合
借方 | 貸方 |
---|---|
現預金 200万円 | 売上高 200万円 |
下取資産(時価) 100万円 | 現預金 100万円 |
寄附金や交際費等 60万円 (値引きと認められない場合) | 現預金 60万円 |
参考通達
法人税の基本通達はこちら↓
(時価以上の価額で資産を下取りした場合の対価の額)
法人税基本通達2-4-6
2-4-6 法人がリース譲渡を行うに当たり、頭金等として相手方の有する資産を下取りした場合において、当該資産につきその取得の時における価額を超える価額を取得価額としているときは、その超える部分の金額については取得価額に含めないものとし、その超える部分の金額に相当する値引きをしてリース譲渡を行ったものとして取り扱う。(昭48年直法2-81「2」、昭55年直法2-8「八」、平10年課法2-7「三」、平12年課法2-7「五」、平30年課法2-8「五」により改正)
所得税にも同様の基本通達があります。
(時価以上の価額で資産を下取りした場合の対価の額)
所得税基本通達65-6
65-6 リース譲渡を行うに当たり、頭金等として相手方の有する資産をその時における価額を超える価額をもって下取りした場合には、その超える部分の金額は、取得した資産の取得価額に含めないで値引きをしてリース譲渡を行ったものとする。(平11課所4-1、平30課個2-19、課審5-2改正)