今回は、仮装経理で余分に支払った防衛特別法人税を還付請求できる場合を確認してみましょう。
内容
法人が税金の計算を誤って余分に防衛特別法人税を支払った場合、防衛特別法人税の還付請求ができます。更正の請求といいます。
ただし、余分に支払った理由が粉飾決算など(仮装経理)の場合は、原則として一定の要件を満たすまで、法人税が還付されません。
原則として法人税は還付されませんが、一定の事実が生じた場合には還付請求ができます。
参考規定はこちら↓
4 適用法人につき次に掲げる事実が生じた場合には、当該適用法人は、当該事実が生じた日以後一年以内に、納税地の所轄税務署長に対し、その適用に係る仮装経理防衛特別法人税額(既に前二項又は第七項の規定により還付されるべきこととなった金額及び第十九条の規定により控除された金額を除く。第六項及び第七項において同じ。)の還付を請求することができる。
我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法第39条第4項、令和8年4月1日施行
一 更生手続開始の決定があったこと。
二 再生手続開始の決定があったこと。
三 前二号に掲げる事実に準ずる事実として政令で定める事実
仮装経理をした法人で防衛特別法人税の還付が制限されているものを「適用法人」といいます。
適用法人は、一定の事実が生じた日から1年以内に防衛特別法人税の還付請求ができます。
一定の事実は、次の3つです。
1、更生手続開始の決定
2、再生手続開始の決定
3、特別清算開始の決定、1や2に準ずる事実
防衛特別法人税を還付しないペナルティより、特別に防衛特別法人税を還付して事業のやり直しや清算を優先する規定です。
この防衛特別法人税の還付請求については、更正の請求と異なり、還付請求書を事実が生じた日から1年以内に提出する必要があります。
参考情報
国税庁、C1-54 仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額・地方法人税額の還付の請求
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_72.htm
法人税と地方法人税がセットになっていますので、防衛特別法人税についても記載欄が設けられると思います。
還付請求書を提出した後は税務署長の調査があり、調査の結果は書面で通知されます。
参考情報
参考リンク
・仮装経理で余分に支払った法人税を還付請求できる場合
還付請求書を提出する必要があります。
6 第四項の規定による還付の請求をしようとする適用法人は、その還付を受けようとする仮装経理防衛特別法人税額、その計算の基礎その他財務省令で定める事項を記載した還付請求書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法第39条第6項、令和8年4月1日施行
還付請求書を提出した後は調査があります。
7 税務署長は、前項の還付請求書の提出があった場合には、その請求に係る事実その他必要な事項について調査し、その調査したところにより、その請求をした適用法人に対し、仮装経理防衛特別法人税額を還付し、又は請求の理由がない旨を書面により通知する。
我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法第39条第7項、令和8年4月1日施行