所得税の還付金を受け取った場合


今回は、所得税の還付金の取扱いを確認してみましょう。

所得税の還付があった場合

所得税の還付金については、
現金が増えるため、(借方)雑収入などで処理してしまいそうになりますが、
所得税の計算上、雑収入で処理する必要はありません。

入金があったときに
(借方)事業主借 ×××円 令和〇〇年分の所得税還付金 などと処理します。

支払ったときに経費(租税公課など)で処理していないため、
受け取ったときは利益(収益)に計上する必要はありません。
個人住民税についても、同様です。

所得税が経費にならない理由を確認してみると
支払った所得税については、きちんと規定(所45条)されていますが、
還付された所得税が利益(収益)にならないという規定はありません。

支払った税金が戻ってくるものであって、
所得(もうけ)ではないため、
利益(収益)にならないという規定がありません。

還付加算金

所得税の還付金に利子のようなもの(還付加算金)を
追加で受け取るときがあります。

還付加算金については、入金があったときに
(借方)事業主借 ×××円 令和〇〇年分の所得税還付加算金
などと処理します。

還付加算金については、事業所得などの利益(収益)にはなりませんが、
「雑所得」として確定申告する必要があります。

消費税の還付金と還付加算金

消費税の還付金については、
税込経理の場合、雑収入として処理します。
税抜経理の場合、未収金として処理します。

消費税の還付加算金については、(借方)事業主借で処理し、
「雑所得」として確定申告する必要があります。

消費税の取扱いは、いずれも課税売上げではなく「課税対象外」となります。

まとめ
内容還付金還付加算金
所得税利益にならない
(事業主借で処理)
雑所得として申告
(事業主借で処理)
消費税の会計処理雑収入で処理
(税込経理の場合)
雑所得として申告
(事業主借で処理)
所得税・消費税
の税区分
課税対象外
(対価性なし)
課税対象外
(対価性なし)
還付金などのまとめ

消費税の還付加算金について、雑収入?と思って確認すると
所得税の還付加算金と同様に雑所得となります。

参考規定

(家事関連費等の必要経費不算入等)
第四十五条 居住者が支出し又は納付する次に掲げるものの額は、その者の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入しない。
二 所得税(不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を行う居住者が納付する第百三十一条第三項(確定申告税額の延納に係る利子税)、第百三十六条(延払条件付譲渡に係る所得税額の延納に係る利子税)、第百三十七条の二第十二項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予に係る利子税)又は第百三十七条の三第十四項(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予に係る利子税)の規定による利子税で、その事業についてのこれらの所得に係る所得税の額に対応するものとして政令で定めるものを除く。)

所得税法第45条、施行日令和5年11月29日
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