今回は、中間納付がある場合の未払法人税等の別表調整を確認します。
内容
中間納付については、次の仕訳が考えられます。
- 法人税等や租税公課で処理する場合
- 仮払法人税等(仮払金)で処理する場合
- 未払法人税等(未払金)で処理する場合
1の方法が簡単ですので、1の方法で確認します。
設例
法人税の中間納付額 200,000円を法人税等で処理している場合。
損益計算書
税引前当期純利益 1,000,000円
法人税等 200,000円 ← 中間納付額
当期純利益 800,000円
法人税率(地方税含む) 30%とします。
別表4の当期利益(1)に800,000円、
損金経理をした法人税等(2)に200,000円を入力します。
(法人住民税の中間納付額については、3に入力します。)
自動的に所得金額(52)が1,000,000円になります。
別表4
区分 | 総額 |
---|---|
当期利益又は当期欠損の額、1 | 800,000円 |
損金経理をした法人税等、2 | 200,000円 |
損金経理をした法人住民税、3 | - |
損金経理をした納税充当金、4 | 0円 |
所得金額又は欠損金額、52 | 1,000,000円 |
別表1や他の計算書類で、年間の法人税が300,000円と計算されたとします。
未払法人税等の計上
年間の法人税は300,000円ですが、前払いしている法人税200,000円をマイナスした残りが今回納付する法人税100,000円となります。この考え方は、消費税や地方税についても同じです。
会計上、次の仕訳を追加します。
借方 | 貸方 |
---|---|
法人税等 100,000円 | 未払法人税等 100,000円 |
損益計算書の当期純利益が700,000円となります。
税引前当期純利益 1,000,000円
法人税等 300,000円 ← 中間納付額200,000円+法人税等100,000円を追加
当期純利益 700,000円
別表調整
当期純利益が700,000円に変わりましたので、
別表4の当期利益(1)を700,000円に変更します。
所得金額(52)が900,000円に変わります。
別表4
区分 | 当初 | 未払法人税等 計上後 |
---|---|---|
当期利益又は当期欠損の額、1 | 800,000円 | 700,000円 |
損金経理をした法人税等、2 | 200,000円 | 200,000円 |
損金経理をした納税充当金、4 | 0円 | 0円 |
所得金額又は欠損金額、52 | 1,000,000円 | 900,000円 |
会計で計上した法人税等100,000円は、
税金計算上、経費になりませんので別表4で加算調整します。
別表4
区分 | 当初 | 未払法人税等 計上後 | 未払法人税等 計上後2 |
---|---|---|---|
当期利益又は当期欠損の額、1 | 800,000円 | 700,000円 | 700,000円 |
損金経理をした法人税等、2 | 200,000円 | 200,000円 | 200,000円 |
損金経理をした納税充当金、4 | 0円 | 0円 | 100,000円 |
所得金額又は欠損金額、52 | 1,000,000円 | 900,000円 | 1,000,000円 |
別表4の所得金額(52)が1,000,000円に戻ります。
別表5-1、利益積立金額
区分 | 期首 | 減少 | 増加 | 期末 | 摘要 |
---|---|---|---|---|---|
繰越損益金、25 | 0 | 0 | 700,000 | 700,000 | 通常、繰越利益剰余金と一致します。 |
納税充当金、26 | 0 | 0 | 100,000 | 100,000 | 通常、未払法人税等と一致します。 |
未納法人税及び未納地方法人税、27 | 0 | △200,000 | 中間△200,000 確定 △100,000 | △100,000 | |
差引合計額、31 | 0 | 0 | 700,000 | 700,000 |