今回は、海軍販売所等に対する物品の譲渡に係る免税のうち、免税対象物品を国内で受け渡しした場合などを確認してみましょう。
譲渡や譲受けができない。
今回確認する規定は、こちらです。
4 合衆国軍隊の構成員等が海軍販売所等において第一項に規定する政令で定める方法により購入した免税対象物品は、国内(消費税法第二条第一項第一号に規定する国内をいう。次項及び第六項において同じ。)において譲渡又は譲受け(これらの委託を受け、若しくは媒介のため当該免税対象物品を所持し、又は譲渡のためその委託を受けた者若しくは媒介をする者に所持させることを含む。以下この条において同じ。)をしてはならない。ただし、当該免税対象物品の譲渡又は譲受けをすることにつきやむを得ない事情がある場合において、当該免税対象物品の所在場所を所轄する税務署長の承認を受けたときは、この限りでない。
租税特別措置法第86条の2第4項、令和8年11月1日施行
1、合衆国軍隊の構成員と軍属
2、これらの家族
を「合衆国軍隊の構成員等」といいます。
1、海軍販売所
2、ピー・エックス(売店)
を「海軍販売所等」といいます。
合衆国軍隊の構成員等が海軍販売所等において、
第1項に規定する政令(租税特別措置法施行令)で定める方法により
購入した免税対象物品は、
国内において譲渡(販売)や譲受けができません。
例外として、やむを得ない事情がある場合、免税対象物品の所在場所を所轄する税務署長(税務署)の承認を受けたときは、譲渡や譲受けが可能です。
参考リンク、国税庁、D1-33 輸出物品販売場購入物品譲渡承認申請手続
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/23120016.htm
上記の手続きは、輸出物品販売場で購入した免税商品を受け渡しする場合に申請するものですが、注意書きに
(注)この申請書は、輸出物品販売場購入物品の譲渡承認を受けようとする場合のほか、租税特別措置法第86条の2第3項(海軍販売所等で購入した物品の譲渡手続)において準用する消費税法第8条第4項ただし書の承認を受けようとする場合に使用しても差し支えありません。とあるため、現行の制度では利用可能です。
(令和8年11月1日以後に利用する場合は、確認が必要です。)
譲渡又は譲受けのカッコ書きを見てみましょう。
譲渡又は譲受け(これらの委託を受け、若しくは媒介のため当該免税対象物品を所持し、又は譲渡のためその委託を受けた者若しくは媒介をする者に所持させることを含む。以下この条において同じ。)これらは譲渡や譲受けを指します。
譲渡や譲受けの委託を受け、若しくは媒介のため
その免税対象物品を所持し、
又は
譲渡のため
その委託を受けた人や媒介をする人
に所持させること
が含まれます。
譲渡や譲受けを目的とする
委託や媒介のための所持も認められていません。
実際に譲渡や譲受けがあった場合
譲渡や譲受けが認められていませんが、譲渡や譲受けがされた場合は対象者から消費税が徴収されます。
5 国内において前項に規定する免税対象物品の譲渡又は譲受けがされたときは、税務署長は、同項ただし書の承認を受けた者があるときはその者から、当該承認を受けないで当該譲渡又は譲受けがされたときは当該免税対象物品を譲り渡した者(同項本文に規定する所持をさせた者を含む。次項において同じ。)から当該免税対象物品の譲渡についての第一項の規定による免除に係る消費税額に相当する消費税を直ちに徴収する。ただし、既に第二項本文に規定する場合に該当する事実が生じている場合又は第三項本文の規定の適用により消費税が徴収された場合は、この限りでない。
租税特別措置法第86条の2第5項、令和8年11月1日施行
「国内において前項(第4項)に規定する免税対象物品の譲渡や譲受けがされたとき」が要件です。国外の譲渡や譲受けは、対象外です。
消費税の徴収は、税務署長がします。
同項(第4項)ただし書の承認を受けた者がいるときは、
その者(承認を受けた人)から免除された消費税を徴収します。
第4項ただし書きの承認は、やむを得ない事情がある場合の承認です。
やむを得ない事情がある場合の承認を受けない場合は、
免税対象物品を渡した人(所持させた人)から
免除された消費税を徴収します。
例外として、既に
1、第2項本文に規定する場合(免税証明書類を保存しなかった場合)に該当する事実が生じている場合
2、第3項本文(出国までに輸出しない場合)の適用により消費税が徴収された場合
については、第5項(この項)による消費税の徴収がありません。2重課税(徴収)になるからです。
参考情報
租税特別措置法第86条の2、令和8年11月1日以後
第1項、海軍販売所等に対する物品販売の免税
第2項、免税を受けるためには、免税証明書類の保存が必要
次の規定は、新設されます。
第3項、免税対象物品を輸出しない場合は、消費税が徴収される。
第4項、免税対象物品は、国内で受け渡しできない。
第5項、国内で受け渡しした場合は、消費税が徴収される。
