今回は、消費税のリース譲渡の経過措置のうち、施行令の附則第3条第20項と第21項を確認してみましょう。
確定申告書の付記
先に規定を確認してみましょう。
20 改正法附則第二十二条第六項の規定は、第十五項、第十七項又は第十八項の規定により同条第五項の規定の適用を受けようとする事業者のその適用を受けようとする最初の適用課税期間について準用する。
消費税法施行令附則(令和七年三月三一日政令第一二五号)抄、第3条第20項
改正法附則第22条第6項は、120回分割の特例を利用する場合の確定申告書の付記規定です。
・第15項
・第17項
・第18項
の規定により同条第5項(120回分割の特例)の適用を受けようとする事業者のその適用を受けようとする「最初の」適用課税期間について準用する、とあります。
第15項は、個人事業者が亡くなった場合
第17項は、合併により法人が消滅した場合
第18項は、分割により旧リース譲渡の事業を分割承継法人に承継させた場合
を指します。
・被相続人・被合併法人・分割法人の最初の適用課税期間
・相続人・合併法人・分割承継法人の最初の適用課税期間
上記2つは異なりますので、準用する必要があります。
利息相当額を利益の20%とする方法
リース譲渡の特例は、3つあります。
1、延払基準の方法
・1-1、賦払金割合
・1-2、利息法
2、利息相当額を利益の20%とする方法
下記第21項は、2番の方法に関する準用規定です。
21 改正法附則第二十二条第四項から第七項までの規定並びに第七項及び第十項から前項までの規定は、旧効力令第三十六条の二第一項又は第二項の規定の適用を受ける事業者の旧リース譲渡について準用する。この場合において、改正法附則第二十二条第四項中「賦払金の額」とあるのは「対価の額」と、「以後にその支払の期日が到来するもの(当該初日の前日以前に既に支払を受けたものを除く。)」とあるのは「の前日以前に既に資産の譲渡等を行ったものとした部分に係る金額以外の金額」と、同条第五項中「前二項に規定する場合のいずれか」とあるのは「前項に規定する場合」と、「これら」とあるのは「同項」と、同項第一号中「賦払金の額」とあるのは「対価の額」と、「以後にその支払の期日が到来するもの(当該初日の前日以前に既に支払を受けたものを除く。)に係る部分の」とあるのは「の前日以前に既に資産の譲渡等を行ったものとした部分に係る金額以外の」と読み替えるものとする。
消費税法施行令附則(令和七年三月三一日政令第一二五号)抄、第3条第21項
「改正法附則第二十二条第四項から第七項までの規定並びに第七項及び第十項から前項までの規定」を確認してみましょう。
附則第22条
・第4項、満了基準事業年度等の精算
・第5項、120回分割の特例
・第6項、確定申告書の付記
・第7項、1月未満の端数は切り捨てる。
並びに
・第7項 及び
・第10項から前項(第20項)まで
「旧効力令第三十六条の二第一項又は第二項の規定」を確認してみましょう。
(リース譲渡の特例計算の方法により経理した場合のリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例)
第三十六条の二 事業者がリース譲渡を行つた場合において、当該事業者(相続により当該事業者の当該リース譲渡に係る事業を承継した相続人、合併により当該事業を承継した合併法人及び分割により当該リース譲渡に係る事業を承継した分割承継法人を含む。以下この条において同じ。)が当該リース譲渡につき所得税法第六十五条第二項(リース譲渡に係る収入及び費用の帰属時期)又は法人税法第六十三条第二項本文(リース譲渡に係る収益及び費用の帰属事業年度)の規定の適用を受けるときは、当該リース譲渡のうち当該リース譲渡に係るこれらの規定に規定する各年又は各事業年度(当該リース譲渡をした日の属する課税期間の翌課税期間の初日以後にその年の十二月三十一日又はその事業年度終了の日が到来するものに限る。)のリース譲渡収益額(これらの規定により当該各年の総収入金額に算入される収入金額又は当該各事業年度の益金の額に算入される収益の額をいう。次項及び第三項において同じ。)に係る部分については、当該事業者が当該課税期間において資産の譲渡等を行わなかつたものとみなして、当該部分に係る対価の額を当該課税期間における当該リース譲渡に係る対価の額から控除することができる。
2 前項の規定によりリース譲渡をした日の属する課税期間において資産の譲渡等を行わなかつたものとみなされた部分は、同項の事業者が同項に規定する各年又は各事業年度のリース譲渡収益額に係る部分につきそれぞれの年の十二月三十一日の属する課税期間又はそれぞれの事業年度終了の日の属する課税期間において、資産の譲渡等を行つたものとみなす。
・所得税法第65条第2項
・法人税法第63条第2項本文
とあります。
所得税法第65条第2項を確認してみましょう。
2 居住者がリース譲渡を行つた場合には、その対価の額を政令で定めるところにより利息に相当する部分とそれ以外の部分とに区分した場合における当該リース譲渡の日の属する年以後の各年の収入金額及び費用の額として政令で定める金額は、当該各年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額及び必要経費に算入する。
所得税法施行令
2 法第六十五条第二項の対価の額のうち利息に相当する部分の金額は、リース譲渡の対価の額からその原価の額を控除した金額の百分の二十に相当する金額(次項において「利息相当額」という。)とする。
利息相当額は、(対価の額-原価の額)×20%で計算します。
読替規定
実際に読み替えてみましょう。
改正法附則第22条第4項
4 旧効力消費税法第十六条第一項又は第二項本文の規定の適用を受ける事業者の旧リース譲渡(前項の規定の適用を受けたものを除く。)のうち、個人事業者にあっては令和十二年十二月三十一日以前に開始した課税期間において、法人にあっては同年三月三十一日以前に開始した事業年度に含まれる各課税期間において、資産の譲渡等を行ったものとしなかった部分がある場合には、当該旧リース譲渡のうち、当該旧リース譲渡に係る対価の額で満了基準事業年度等(個人事業者にあっては令和十三年をいい、法人にあっては令和十二年四月一日以後最初に開始する事業年度をいう。以下この項及び次項において同じ。)の初日の前日以前に既に資産の譲渡等を行ったものとした部分に係る金額以外の金額に係る部分については、当該事業者が当該満了基準事業年度等の末日の属する課税期間において資産の譲渡等を行ったものとみなす。
改正法附則第22条第5項
5 旧効力消費税法第十六条第一項又は第二項本文の規定の適用を受ける事業者のその適用に係る旧リース譲渡が、前項に規定する場合に該当する場合には、同項の規定にかかわらず、当該旧リース譲渡のうち、第一号に掲げる金額(同号に掲げる金額が第二号に掲げる金額を超える課税期間にあっては、同号に掲げる金額)に係る部分については、当該事業者が不適用基準事業年度等又は満了基準事業年度等以後の各年又は各事業年度の末日の属する各課税期間(以下この項及び次項において「適用課税期間」という。)において、資産の譲渡等を行ったものとみなすことができる。
一 当該旧リース譲渡に係る対価の額で、不適用基準事業年度等又は満了基準事業年度等の初日の前日以前に既に資産の譲渡等を行ったものとした部分に係る金額以外の金額(以下この項において「未計上譲渡額」という。)を百二十で除し、これに当該適用課税期間が含まれる年又は事業年度の月数を乗じて計算した金額(当該未計上譲渡額に当該年又は当該事業年度において資産の譲渡等を行ったものとみなされた部分に係る金額がある場合には、当該金額を控除した残額)
二 当該未計上譲渡額から当該未計上譲渡額のうち当該適用課税期間前の各課税期間において資産の譲渡等を行ったものとみなされた部分に係る金額を控除した金額
20%特例を適用した場合に
・原則、満了基準事業年度等で精算
・例外、120回分割計上も可能
とする読替え規定です。
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