今回は、短期退職手当等の計算を確認します。
内容
一般の退職所得の計算は、
退職所得=(退職金収入-退職所得控除額)×1/2
の算式で計算します。
1/2軽減については役員の退職金についても利用できていましたが、
役員の勤続期間が5年以下の退職金については、
1/2軽減が利用できなくなっています。
特定役員退職所得=特定役員退職金収入-退職所得控除額(1/2なし)
の算式で計算します。
令和4年からスタートする短期退職所得については、
短期退職金収入-退職所得控除額=残額が300万円を超える部分について
1/2軽減がなくなります。残額が300万円以下については1/2軽減が使えます。
計算方法
残額300万円以下と残額300万円超で計算方法が分かれます。
残額300万円以下の場合、
短期退職金収入-退職所得控除額=残額×1/2で
退職所得を計算します。一般の退職所得と同じ計算式です。
残額300万円超の場合、
150万円+<短期退職金収入-(300万円+退職所得控除額)>で
退職所得を計算します。
算式の意味
1、300万円×1/2=150万円(1/2軽減あり)
2、退職金収入-300万円=300万円超部分-退職所得控除(1/2軽減なし)
3、1+2=退職所得
規定上、300万円と退職所得控除を一緒にマイナスするため、
カッコ内で+退職所得控除と規定されていますが、
1、退職金収入から計算済みの300万円をマイナスした残額から
2、退職所得控除額をマイナスしている
と考えた方が理解しやすいと思います。
参考規定
参考資料、国税庁、短期退職手当等Q&A
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0021009-037_01.pdf
(退職所得)
第三十条 退職所得とは、退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与(以下この条において「退職手当等」という。)に係る所得をいう。2 退職所得の金額は、その年中の退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額の二分の一に相当する金額(当該退職手当等が、短期退職手当等である場合には次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とし、特定役員退職手当等である場合には当該退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額に相当する金額とする。)とする。
一 当該退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額が三百万円以下である場合 当該残額の二分の一に相当する金額
二 前号に掲げる場合以外の場合 百五十万円と<当該退職手当等の収入金額から三百万円に退職所得控除額を加算した金額を控除した残額>との合計額
所得税法