今回は、簡易課税制度の売上を区分していない場合を確認してみましょう。
区分する場合
消費税の簡易課税制度を選択した場合、
受け取った消費税からマイナスできる消費税を
簡易に計算することが可能です。
受け取った消費税に業種(取引)ごとの仕入率をかけるだけです。
業種ごとに仕入率は決まっています。
・第一種事業(例、卸売業) 90%
・第二種事業(例、小売業) 80%
・第三種事業(例、製造業) 70%
・第四種事業(例、飲食店業) 60%
・第五種事業(例、サービス業) 50%
・第六種事業(例、不動産業) 40%
事業が2以上ある場合は、上記の割合を加重平均で計算します。
その他に特例が2つあります。
1、1つの事業の売上割合が75%以上の場合
2、2つの事業の売上割合が75%以上の場合
・業種ごとの仕入率
・加重平均の仕入率
・特例の仕入率
上記3つの計算については、業種ごとに仕入率が異なるため、
売上を業種ごとに区分する必要があります。
仮に業種ごとに区分しなかった場合はどうなるでしょうか?
今回は、区分しなかった場合の計算を確認してみましょう。
第1種事業と第2種事業を区分しない場合
簡易課税制度の売上を区分しなかった場合の計算方法は、全部で5つあります。
(今回は1つだけ確認します。)
1つ目は、
・第1種事業(卸売業)
・第2種事業(小売業)
の2つを分けなかった場合です。
卸売業とは、買ってきた商品をそのまま他の事業者に販売する事業をいいます。
小売業とは、買ってきた商品をそのまま消費者に販売する事業をいいます。
買ってきた商品をそのまま販売するところは、2つとも同じです。
販売する相手が変わると業種が変わります。
そのため、第1種事業と第2種事業を分けるには、
販売した相手を区分する必要があります。
この区分をしなかった場合、
・第1種事業(卸売業)
・第2種事業(小売業)
の2つを分けることができないため、自動的に
・第2種事業(小売業)
で計算する必要があります。
区分しなかった場合、仕入率の小さい業種(今回は第2種)で計算することになりますので留意しましょう。
参考規定
事業の種類ごとに区分していない場合
4 第一項各号に掲げる事業又は第四種事業のうち二以上の事業を営む事業者が当該課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等で、当該課税資産の譲渡等につきこれらの事業の種類ごとの区分をしていないものがある場合における前二項の規定の適用については、次に定めるところによる。
消費税法施行令第57条第4項、施行日令和6年11月18日
一 第一種事業と第二種事業とを営む事業者が当該課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等で、第一種事業に係るものであるか第二種事業に係るものであるかの区分をしていないものがある場合には、当該区分をしていない課税資産の譲渡等は、第二種事業に係るものとする。
以下省略
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