自宅等を売却したときの損失に関する所得税の特例_繰戻しによる還付との関係


今回は、自宅等を売却したときの損失に関する所得税の特例のうち、繰戻しによる還付との関係を見てみましょう。

繰戻しによる還付との関係

今回確認する規定は、こちらです。

9 確定申告書を提出する個人のその年において生じた純損失の金額のうちに特定純損失の金額がある場合における所得税法第百四十条第一項又は第百四十一条第一項(これらの規定を同法第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同法第百四十条第一項又は第百四十一条第一項中「生じた純損失の金額」とあるのは、「生じた純損失の金額(租税特別措置法第四十一条の五第九項(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除)に規定する特定純損失の金額を除く。)」とする。

租税特別措置法第41条の5第9項、令和8年1月1日施行

確定申告書を提出する個人の
その年において生じた純損失の金額のうちに
特定純損失の金額がある場合が要件です。

純損失の金額は、
1、不動産所得の金額
2、事業所得の金額
3、山林所得の金額
4、譲渡所得の金額
の計算をした場合の赤字で、他の所得と通算できなかった部分です。

特定純損失の金額は、要件を満たす自宅などの売却損です。

要件を満たす場合は、所得税法第140条第1項や141条第1項を読み替える必要があります。

純損失の繰戻しによる還付の請求

所得税法第140条第1項は、
「純損失の繰戻しによる還付の請求」です。

過去の黒字と本年の赤字と通算できる規定です。
通算することにより所得税の還付請求ができます。

実際に読み替えてみましょう。

(純損失の繰戻しによる還付の請求)
第百四十条 青色申告書を提出する居住者は、その年において生じた純損失の金額生じた純損失の金額(租税特別措置法第四十一条の五第九項(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除)に規定する特定純損失の金額を除く。)がある場合には、
省略

生じた純損失の金額 が消えて

生じた純損失の金額(租税特別措置法第四十一条の五第九項(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除)に規定する特定純損失の金額を除く。) が追加されます。

純損失の金額から特定純損失の金額が除外されるため、
特定純損失の金額については、
純損失の繰戻しによる還付の請求の対象外となります。

相続人等の純損失の繰戻しによる還付の請求

所得税法第141条第1項は、
「相続人等の純損失の繰戻しによる還付の請求」です。

読み替えてみましょう。

(相続人等の純損失の繰戻しによる還付の請求)
第百四十一条 第百二十五条第一項、第三項又は第五項(年の中途で死亡した場合の確定申告)の規定に該当してこれらの規定に規定する申告書(青色申告書に限る。)を提出する者は、当該申告書に記載すべきその年において生じた純損失の金額生じた純損失の金額(租税特別措置法第四十一条の五第九項(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除)に規定する特定純損失の金額を除く。)がある場合には、
省略

生じた純損失の金額 が消えて

生じた純損失の金額(租税特別措置法第四十一条の五第九項(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除)に規定する特定純損失の金額を除く。) が追加されます。

純損失の金額から特定純損失の金額が除外されるため、
特定純損失の金額については、
純損失の繰戻しによる還付の請求の対象外となります。

参考情報

カッコ書きの
(これらの規定を同法第百六十六条において準用する場合を含む。)
について

所得税法第166条は、非居住者に関する準用規定です。

(申告、納付及び還付)
第百六十六条 前編第五章及び第六章(居住者に係る申告、納付及び還付)の規定は、非居住者の総合課税に係る所得税についての申告、納付及び還付について準用する。省略

所得税法第166条、令和8年1月1日施行

前編が居住者、
第5章が申告、納付及び還付
第6章が期限後申告及び修正申告等の特例です。

繰戻しによる還付の請求は、
第5章-第2節-第6款(還付)に規定されています。

そのため、非居住者についても特例が利用できます。

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