今回は、青色申告の10万円の特別控除と改正内容を見てみましょう。
10万円の特別控除
個人事業者が青色申告を選択した場合は
1、10万円
2、不動産所得・事業所得・山林所得の黒字の合計額
のいずれか低い金額を
不動産所得・事業所得・山林所得の黒字から差し引けます。
参考情報
赤は削除、緑は追加です。
第二十五条の二 青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている個人のその承認を受けている年分(第三項(第四項の規定の適用を受ける年分を除く。)の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額は、所得税法第二十六条第二項、第二十七条第二項又は第三十二条第三項の規定により計算した不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額から次に掲げる金額のうちいずれか低い金額を控除した金額とする。
一 十万円
二 所得税法第二十六条第二項、第二十七条第二項又は第三十二条第三項の規定により計算した不動産所得の金額、事業所得の金額(次条第一項の規定の適用がある場合には、同項に規定する社会保険診療につき支払を受けるべき金額に対応する部分の金額を除く。第三項第二号第四項第二号において同じ。)又は山林所得の金額の合計額10万円の特別控除が適用できない場合
10万円控除が適用できない場合があります。
2 前項の規定は、同項に規定する個人でその年において不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営むもの(所得税法第六十七条第一項の規定の適用を受ける者を除くものとし、次の各号に掲げる者の区分に応じ当該各号に定める要件を満たすものに限る。)が、第四項に規定する場合に該当しない場合には、適用しない。
一 その年において不動産所得を生ずべき事業を営む者 その年の前々年分の不動産所得に係る総収入金額が千万円を超えること。
二 その年において事業所得を生ずべき事業を営む者 その年の前々年分の事業所得に係る総収入金額が千万円を超えること。前項(第1項、10万円控除)の規定が、適用されなくなる規定です。
同項(第1項)に規定する個人でその年において
・不動産所得
・事業所得
を生ずべき「事業」を営むものが、
第4項(65万円控除)に規定する場合に
該当しない場合が要件です。
第4項(65万円控除)に規定する場合は、
取引を適切に記録している場合です。
取引を適切に記録していない場合は、
10万円控除(第1項)が使えなくなります。
カッコ書きについて
1、現金基準(現預金の入金や出金を基準に取引を記録すること)を選んでいる場合は、対象から除外されています。
2、改正内容です。
2-1、その年において不動産所得を生ずべき「事業」を営む人
その年の前々年(2年前)の不動産所得の収入が1,000万円を超える場合
2-2、その年において事業所得を生ずべき「事業」を営む人
その年の前々年(2年前)の事業所得の収入が1,000万円を超える場合
気になった点1
「その年において不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営むもの」とあるため、その年(本年のこと)が「事業」ではなく「事業的規模以外の業務」の場合は、対象外になりそうですね。
本年が事業的規模以外の場合は、65万円控除の対象外だからです。
気になった点2
「その年の前々年分の事業所得に係る総収入金額が1,000万円を超える」とあるため、2年前の雑所得の業務収入だと対象外になりそうですね。
雑所得の業務収入で適切に申告していたが、規模などを考慮して、
本年から事業所得の事業収入として申告した場合です。
2年前、事業的規模以外の業務→雑所得、収入1千万円超
1年前、規模を問わず。
本年、事業的規模→事業所得として申告
特別控除を控除する順番
特別控除の順番は、次の順です。
不動産所得→事業所得→山林所得
計算例
1、不動産所得の黒字
8万円(黒字)-8万円(特別控除)=0円
2、事業所得の黒字
50万円(黒字)-残り2万円(特別控除)=48万円
3、山林所得の黒字
控除の順番に、変更はありません。
参考情報
3 第一項の規定により控除すべき金額は、不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額から順次控除する。