今回は、その他の利益積立金額の続きを確認してみましょう。
目次
利益積立金額の第1号の金額
利益積立金額は、
1、過去の事業年度の第1号から第7号までの加算項目の合計額
2、過去の事業年度の第8号から第14号までの減算項目の合計額
3、当期の第1号から第7号までの加算項目の金額
4、当期の第8号から第14号までの減算項目の金額
5、1-2+3-4
で計算します。
第1号の金額は、イからネまでの20個あります。
イからヲまでの12個は、第1号の加算項目です。
ワからネまでの8個は、第1号の減算項目です。
今回は、ワからネまでの8つの減算項目を確認します。
参考リンク、利益積立金額の加算項目
・その他の利益積立金額 イからホまでの5つ
・その他の利益積立金額_その2 ヘからヲまでの7つ
ワの金額、欠損金額
ワの規定を見てみましょう。
ワ 欠損金額欠損金額は、法人税の計算上の赤字です。
1、当期の損金の額(経費など) 5,000
2、当期の益金の額(売上など) 3,000
3、1-2=2,000
で欠損金額を計算します。
カの金額、法人税として納付することとなる金額等
カの規定を見てみましょう。
カ 法人税(当該過去事業年度又は当該事業年度の所得に対する法人税に限るものとし、法第三十八条第一項第二号に掲げる法人税及び附帯税を除く。カにおいて同じ。)及び地方法人税(基準法人税額に対する地方法人税に限るものとし、同項第四号及び第五号に掲げる地方法人税並びに附帯税を除く。)として納付することとなる金額、地方税法の規定により当該法人税に係る道府県民税及び市町村民税(都民税及びこれらの税に係る均等割を含む。)として納付することとなる金額並びに同条第三項に規定する通算税効果額を支払うこととなる場合のその支払うこととなる金額(附帯税の額に係る部分の金額を除く。)1、法人税
2、地方法人税
3、法人の道府県民税
4、法人の市町村民税
5、法人の都民税や均等割
6、通算税効果額
として納付や支払うこととなる金額です。
ただし、附帯税などは除外されます。
仕訳イメージ
法人税など(納付されることとなる金額など) ××円 /
参考リンク、利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/itiran2025/pdf/05(01).pdf
別表5(1)、利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書
・27欄、未納法人税(附帯税を除く。)及び未納地方法人税(附帯税を除く。)
・28欄、未払通算税効果額(附帯税の額に係る部分の金額を除く。)
・29欄、未納道府県民税(均等割額を含む。)
・30欄、未納市町村民税(均等割額を含む。)
を記載する根拠となる規定です。
ヨの金額、中間申告の繰戻し還付の益金不算入額
ヨの規定を見てみましょう。
ヨ 法第二十七条(中間申告における繰戻しによる還付に係る災害損失欠損金額の益金算入)の規定により所得の金額の計算上益金の額に算入される金額及び法第百四十二条の二の二(中間申告における繰戻しによる還付に係る災害損失欠損金額の益金算入)の規定により法第百四十一条第一号イに掲げる国内源泉所得に係る所得の金額の計算上益金の額に算入される金額災害に関する赤字については、中間申告で過去の黒字に対する法人税の還付が請求できます。この還付金については、益金の額に算入されません。
仕訳イメージ
/ 法人税の還付金(益金不算入) ××円
タの金額、譲渡損益調整資産の取得価額の差額
タの規定を見てみましょう。
タ 法第六十一条の十一第七項の規定により譲渡損益調整資産の取得価額に算入しない金額から同項の規定により譲渡損益調整資産の取得価額に算入する金額を減算した金額法人税法第61条の11は、譲渡損益を繰り延べる規定です。第7項は、適格要件を満たさない合併により、譲渡損益調整資産を受け取った場合の規定です。
仕訳イメージ
資産A ××円 /
資産B ××円 /
適格要件を満たさない合併は、時価で資産を受け入れます。第7項の要件を満たす場合は、受け入れ金額を調整します。
調整方法は、2つです。
1、譲渡利益がある場合は、取得価額に算入しません。
2、譲渡損失がある場合は、取得価額に算入します。
例、売却益がある場合
被合併法人(渡した法人)
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 現金(時価) 5,000 | 土地 2,000 |
| – | 売却益(譲渡利益額) 3,000 |
| 売却益の繰延べ(損金算入) 3,000 | – |
合併法人(受け取った法人)
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 土地(時価) 5,000 | – |
譲渡利益がある場合は、取得価額に算入しないため、
土地の取得価額は、2,000となります。
1、計算前の取得価額 5,000
2、譲渡利益額 3,000
3、土地の取得価額 1-2=2,000
タの規定に戻って、算式にしてみましょう。
1、法第61条の11第7項の規定により譲渡損益調整資産の取得価額に算入しない金額
譲渡利益額に相当する金額 3,000
2、同項の規定により譲渡損益調整資産の取得価額に算入する金額
譲渡損失額に相当する金額 0
3、減算した金額
1-2=3,000がタの金額(利益積立金額の減少)となります。
仕訳イメージ
利益積立金額 3,000 / 土地 3,000
レの金額、損益通算による益金算入額
レの規定を見てみましょう。
レ 法第六十四条の五第三項の規定により所得の金額の計算上益金の額に算入される金額法人税法第64条の5は、通算制度の損益通算に関する規定です。
自社の所得(欠損金額)の計算に、他社の黒字を反映させることができます。
「損益通算」といいます。
仕訳イメージ
/ 他社の黒字(益金算入、申告調整) ××円
ソの金額、欠損金の通算による益金算入額
ソの規定を見てみましょう。
ソ 法第六十四条の七第六項(欠損金の通算)の規定により所得の金額の計算上益金の額に算入される金額通算制度を選択している場合の規定です。自社や他社の所得の計算に、他社や自社の過去の赤字(欠損金額)を反映させることができます。
欠損金の通算については、一定の事由が生じた場合、再計算することがあります。再計算により損金の額に算入しすぎた部分については、益金の額に算入されます。
仕訳イメージ
/ 損金算入の過大部分 ××円(益金算入、申告調整)
ツの金額、配当から控除する利子の益金算入額
ツの規定を確認してみましょう。
ツ 第十九条第六項(関連法人株式等に係る配当等の額から控除する利子の額)の規定により所得の金額の計算上益金の額に算入される金額通算制度を選択している場合の規定です。欠損金の通算と同様に再計算することがあります。再計算により配当から控除する利子が過大となる部分については、益金の額に算入されます。
仕訳イメージ
/ 過大に控除された支払利息 ××円(益金算入、申告調整)
ネの金額、有価証券の帳簿価額の調整
ネの規定を確認してみましょう。
ネ 第百十九条の三第十項(移動平均法を適用する有価証券について評価換え等があつた場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例)(第百十九条の四第一項後段(評価換え等があつた場合の総平均法の適用の特例)においてその例による場合を含む。)の規定により第百十九条の三第十項に規定する他の法人の株式又は出資の同項に規定する基準時の直前における帳簿価額から減算される金額要件を満たした場合は、受取配当等の益金不算入に相当する金額を対象となる有価証券の帳簿価額から減額します。
(1単位あたりの帳簿価額を調整する。)
参考情報、国税庁、Ⅳ 国際課税に関する改正
1 子会社からの配当と子会社株式の譲渡を組み合わせた租税回避への対応
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2020/pdf/G.pdf
仕訳イメージ
/ 他の法人の株式や出資 ××円
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