エンジェル税制


今回は、エンジェル税制の規定を確認してみましょう。

エンジェル税制

エンジェル税制は、3つあります。
・エンジェル税制(取得価額の控除)
・改正されたエンジェル税制(令和5年4月1日以後)
・エンジェル税制(寄附金控除)

今回は、エンジェル税制(取得価額の控除)の規定を確認したいと思います。

エンジェル税制の全体像を確認する場合は、
経済産業省のWEBサイトを確認してみましょう。

参考URL、経済産業省、
エンジェル税制とは

規定をまとめたものを確認してみましょう。


平成15年4月1日以後に、
次の各号に掲げる株式会社(注1、特定中小会社)の区分に応じ
当該各号に定める株式(注2、特定株式)を
払込み(注3)により取得(注4)をした居住者等(注5)が、

その特定株式を払込みにより取得をした場合における
第37条の10第1項及び第37条の11第1項の規定の適用については、
政令で定めるところにより、

その年分の
第37条の10第1項に規定する一般株式等に係る譲渡所得等の金額又は
第37条の11第1項に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上、

その年中に当該払込みにより取得をした
特定株式(注6、控除対象特定株式)の取得に要した金額の
合計額(注7)を控除する。

注1、特定中小会社
以下この項及び第三十七条の十三の三第一項において「特定中小会社」という。

注2、特定株式
以下この項及び同条において「特定株式」という。

注3、払込み
当該株式の発行に際してするものに限る。以下同条までにおいて同じ。

注4、取得
第29条の2第1項本文の規定の適用を受けるものを除く。
以下第37条の13の3までにおいて同じ。

注5、居住者等
その取得をした日においてその者を判定の基礎となる株主として選定した場合にその特定中小会社が法人税法第二条第十号に規定する同族会社に該当することとなるときにおけるその株主その他の政令で定める者であつたものを除く。

注6、控除対象特定株式
その年12月31日において有するものとして政令で定めるものに限る。
以下この条において「控除対象特定株式」という。

注7、
適用前の一般株式等に係る譲渡所得等の金額(注7-1)及び
適用前の上場株式等に係る譲渡所得等の金額(注7-2)の合計額(注7-3)が
その取得に要した金額の合計額に満たない場合には、
その適用前の株式等に係る譲渡所得等の金額の合計額に相当する金額

注7-1
この項の規定を適用しないで計算した場合における第37条の10第1項に規定する一般株式等に係る譲渡所得等の金額をいう。次項において同じ。

注7-2
この項の規定を適用しないで計算した場合における第37条の11第1項に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額をいう。次項において同じ。

注7-3
以下この項において
「適用前の株式等に係る譲渡所得等の金額の合計額」という。


もう少しまとめてみましょう。

平成15年4月1日以後に、
特定中小会社の区分に応じ特定株式を
払込みにより取得をした居住者等が、

その特定株式を払込みにより取得をした場合における
・第37条の10第1項(一般株式等の譲渡損益の計算)及び
・第37条の11第1項(上場株式等の譲渡損益の計算)
の規定の適用については、政令で定めるところにより、

その年分の
第37条の10第1項に規定する一般株式等に係る譲渡所得等の金額又は
第37条の11第1項に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額
の計算上、

控除対象特定株式の取得に要した金額の合計額
を控除する。


さらにまとめると

平成15年4月1日以後に、
居住者等が「特定株式」を取得した場合の
株式等の譲渡益の計算については、

「控除対象特定株式」の取得に要した金額の合計額
を控除できる規定です。

要件を満たす株式を取得した場合、
その株式の取得価額の合計額を
特例を適用する前の株式の譲渡益からマイナスできます。

概要については、下記サイトを確認してみましょう。
参考URL、経済産業省、各措置の内容
https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/angeltax/investment.html

エンジェル税制には、
・優遇措置A(寄附金控除)
・優遇措置B(エンジェル税制)
・プレシード・シード特例(新しいエンジェル税制)
の3つがあり、
今回確認している内容は、優遇措置Bの規定です。

エンジェル税制の対象となる会社と株式が
上記規定の1号から3号に規定されています。

新しいエンジェル税制については、非課税措置があるのに対し、
エンジェル税制については、
非課税措置がなく、課税の繰り延べ制度となります。

手続規定など

エンジェル税制(第1項)の規定は、確定申告書に
・特例を適用する旨の記載
・計算明細書とその他の財務省令で定める書類の添付
がある場合に限り、適用可能です。
(やむを得ない事情がある場合の規定がないため注意しましょう。)

参考規定

特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除等

(特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除等)
第三十七条の十三 平成15年4月1日以後に、次の各号に掲げる株式会社(以下この項及び第三十七条の十三の三第一項において「特定中小会社」という。)の区分に応じ当該各号に定める株式(以下この項及び同条において「特定株式」という。)を払込み(当該株式の発行に際してするものに限る。以下同条までにおいて同じ。)により取得(第29条の2第1項本文の規定の適用を受けるものを除く。以下第三十七条の十三の三までにおいて同じ。)をした居住者又は恒久的施設を有する非居住者(当該取得をした日においてその者を判定の基礎となる株主として選定した場合に当該特定中小会社が法人税法第二条第十号に規定する同族会社に該当することとなるときにおける当該株主その他の政令で定める者であつたものを除く。)が、当該特定株式を払込みにより取得をした場合における第三十七条の十第一項及び第三十七条の十一第一項の規定の適用については、政令で定めるところにより、その年分の第三十七条の十第一項に規定する一般株式等に係る譲渡所得等の金額又は第三十七条の十一第一項に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上、その年中に当該払込みにより取得をした特定株式(その年十二月三十一日において有するものとして政令で定めるものに限る。以下この条において「控除対象特定株式」という。)の取得に要した金額の合計額(適用前の一般株式等に係る譲渡所得等の金額(この項の規定を適用しないで計算した場合における第三十七条の十第一項に規定する一般株式等に係る譲渡所得等の金額をいう。次項において同じ。)及び適用前の上場株式等に係る譲渡所得等の金額(この項の規定を適用しないで計算した場合における第三十七条の十一第一項に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額をいう。次項において同じ。)の合計額(以下この項において「適用前の株式等に係る譲渡所得等の金額の合計額」という。)が当該取得に要した金額の合計額に満たない場合には、当該適用前の株式等に係る譲渡所得等の金額の合計額に相当する金額)を控除する。

一 中小企業等経営強化法第六条に規定する特定新規中小企業者に該当する株式会社 当該株式会社により発行される株式

二 内国法人のうちその設立の日以後10年を経過していない株式会社(中小企業基本法(昭和三十八年法律第百五十四号)第二条第一項各号に掲げる中小企業者に該当する会社であることその他の財務省令で定める要件を満たすものに限る。) 当該株式会社により発行される株式で次に掲げるもの
イ 投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九十号)第二条第二項に規定する投資事業有限責任組合(財務省令で定めるものに限る。)に係る同法第三条第一項に規定する投資事業有限責任組合契約に従つて取得をされるもの
ロ 金融商品取引法第二十九条の四の二第十項に規定する第一種少額電子募集取扱業務を行う者(財務省令で定めるものに限る。)が行う同項に規定する電子募集取扱業務により取得をされるもの

三 内国法人のうち、沖縄振興特別措置法第五十七条の二第一項に規定する指定会社で平成26年4月1日から令和7年3月31日までの間に同項の規定による指定を受けたもの 当該指定会社により発行される株式

租税特別措置法、施行日令和5年10月1日

手続規定

2 前項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、控除対象特定株式の取得に要した金額、適用前の一般株式等に係る譲渡所得等の金額、適用前の上場株式等に係る譲渡所得等の金額及び同項の控除の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。

租税特別措置法、施行日令和5年10月1日

政令委任規定

3 第一項の規定の適用を受けた場合における控除対象特定株式と同一銘柄の株式の取得価額の計算の特例その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

租税特別措置法、施行日令和5年10月1日
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