エンジェル税制の繰越控除の準用規定


今回は、エンジェル税制の繰越控除の準用規定を確認してみましょう。

準用規定

今回確認する規定はこちら↓

10 第三十七条の十二の二第九項の規定は、その年の翌年以後において第七項の規定の適用を受けようとする居住者又は恒久的施設を有する非居住者について準用する。この場合において、同条第九項中「第五項の」とあるのは「第三十七条の十三の三第七項の」と、「譲渡損失の繰越控除)の」とあるのは「譲渡損失の繰越控除)又は第三十七条の十三の三第七項(特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除等)の」と、「同条第六項」とあるのは「同法第三十七条の十二の二第六項」と、「その他の」とあるのは「、その年において生じた同法第三十七条の十三の三第八項に規定する特定株式に係る譲渡損失の金額(同条第四項の規定の適用を受けて控除されたものを除く。以下この項において「特定株式に係る譲渡損失の金額」という。)、その年の前年以前三年内の各年において生じた特定株式に係る譲渡損失の金額その他の」と、「とあるのは「上場株式等に係る譲渡損失の金額」」とあるのは「とあるのは「上場株式等に係る譲渡損失の金額又は特定株式に係る譲渡損失の金額」」と、「(租税特別措置法第三十七条の十二の二第五項」とあるのは
「及び特定株式に係る譲渡損失の金額(租税特別措置法第三十七条の十二の二第五項又は第三十七条の十三の三第七項」と、「「を除く」と、「これらの金額」とあるのは「当該上場株式等に係る譲渡損失の金額」」とあるのは「「を除く」」と、「第三十七条の十一第一項」とあるのは「第三十七条の十第一項(一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)に規定する一般株式等に係る譲渡所得等の金額、第三十七条の十一第一項」と読み替えるものとする。

租税特別措置法37条の13の3第10項、施行日令和5年10月1日

最初の1文をまとめてみましょう。

租税特別措置法37条の12の2第9項の規定は、
その年の翌年以後において第7項(エンジェル税制の繰越控除)の
規定の適用を受けようとする居住者等について準用する。

租税特別措置法37条の12の2第9項の規定を確認してみましょう。

9 所得税法第百二十三条第一項(第二号を除く。)(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定は、居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、その年の翌年以後において第五項の規定の適用を受けようとする場合であつて、その年の年分の所得税につき同法第百二十条第一項(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定による申告書を提出すべき場合及び同法第百二十二条第一項又は第百二十三条第一項(これらの規定を同法第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定による申告書を提出することができる場合のいずれにも該当しない場合について準用する。この場合において、同項中「第七十条第一項若しくは第二項(純損失の繰越控除)若しくは第七十一条第一項(雑損失の繰越控除)の規定の適用を受け、又は第百四十二条第二項(純損失の繰戻しによる還付の手続等)の規定による還付を受けようとするときは、第三期において」とあるのは「租税特別措置法第三十七条の十二の二第五項(上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除)の規定の適用を受けようとするときは」と、「次項各号に掲げる」とあるのは「その年において生じた同条第六項に規定する上場株式等に係る譲渡損失の金額(以下この項において「上場株式等に係る譲渡損失の金額」という。)、その年の前年以前三年内の各年において生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額その他の政令で定める」と、同項第一号中「純損失の金額」とあるのは「上場株式等に係る譲渡損失の金額」と、同項第三号中「純損失の金額及び雑損失の金額(第七十条第一項若しくは第二項又は第七十一条第一項」とあるのは「上場株式等に係る譲渡損失の金額(租税特別措置法第三十七条の十二の二第五項」と、「及び第百四十二条第二項の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。同号において同じ」とあるのは「を除く」と、「これらの金額」とあるのは「当該上場株式等に係る譲渡損失の金額」と、「総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額」とあるのは「同法第三十七条の十一第一項(上場株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額及び同法第三十七条の十二の二第五項に規定する上場株式等に係る配当所得等の金額」と読み替えるものとする。

租税特別措置法37条の12の2第9項、施行日令和5年10月1日

読替先の規定も読替規定です。

「所得税法第123条第1項」とあるので、
規定を確認してみましょう。

(確定損失申告)
第百二十三条 居住者は、次の各号のいずれかに該当する場合において、その年の翌年以後において第七十条第一項若しくは第二項(純損失の繰越控除)若しくは第七十一条第一項(雑損失の繰越控除)の規定の適用を受け、又は第百四十二条第二項(純損失の繰戻しによる還付の手続等)の規定による還付を受けようとするときは、第三期において、税務署長に対し、次項各号に掲げる事項を記載した申告書を提出することができる。
一 その年において生じた純損失の金額がある場合
二 その年において生じた雑損失の金額がその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額を超える場合
三 その年の前年以前三年内(第七十条の二第一項から第三項まで(特定非常災害に係る純損失の繰越控除の特例)又は第七十一条の二第一項(特定非常災害に係る雑損失の繰越控除の特例)の規定の適用がある場合には、前年以前五年内。次項第二号において同じ。)の各年において生じた純損失の金額及び雑損失の金額(第七十条第一項若しくは第二項又は第七十一条第一項の規定により前年以前において控除されたもの及び第百四十二条第二項の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。同号において同じ。)の合計額が、これらの金額を控除しないで計算した場合のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額を超える場合

所得税法123条、施行日令和5年10月1日

確定損失申告の規定と確認できました。

読替後の規定

整理しますと

租税特別措置法37条の13の3第10項の規定
(上場株式等の繰越控除)
 ↓
租税特別措置法37条の12の2第9項の規定
(エンジェル税制の繰越控除)
 ↓
所得税法第123条第1項の規定
(確定損失申告)

と読み替える必要があります。

読み替え後の規定を確認してみましょう。


(確定損失申告)
第百二十三条 居住者は、次の各号のいずれかに該当する場合において、その年の翌年以後において租税特別措置法第三十七条の十二の二第五項(上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除)又は第三十七条の十三の三第七項(特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除等)の規定の適用を受けようとするときは、税務署長に対し、その年において生じた同法第三十七条の十二の二第六項に規定する上場株式等に係る譲渡損失の金額(以下この項において「上場株式等に係る譲渡損失の金額」という。)、その年の前年以前三年内の各年において生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額、その年において生じた同法第三十七条の十三の三第八項に規定する特定株式に係る譲渡損失の金額(同条第四項の規定の適用を受けて控除されたものを除く。以下この項において「特定株式に係る譲渡損失の金額」という。)、その年の前年以前三年内の各年において生じた特定株式に係る譲渡損失の金額その他の政令で定める事項を記載した申告書を提出することができる。
一 その年において生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額又は特定株式に係る譲渡損失の金額がある場合
二 その年において生じた雑損失の金額がその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額を超える場合
三 その年の前年以前三年内(第七十条の二第一項から第三項まで(特定非常災害に係る純損失の繰越控除の特例)又は第七十一条の二第一項(特定非常災害に係る雑損失の繰越控除の特例)の規定の適用がある場合には、前年以前五年内。次項第二号において同じ。)の各年において生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額及び特定株式に係る譲渡損失の金額(租税特別措置法第三十七条の十二の二第五項又は第三十七条の十三の三第七項の規定により前年以前において控除されたものを除く。)の合計額が、これらの金額を控除しないで計算した場合のその年分の同法第三十七条の十第一項(一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)に規定する一般株式等に係る譲渡所得等の金額、第三十七条の十一第一項(上場株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額及び同法第三十七条の十二の二第五項に規定する上場株式等に係る配当所得等の金額の合計額を超える場合

規定のまとめ

読替後の確定損失申告の規定をまとめてみましょう。


居住者は、次の各号のいずれかに該当する場合において、
その年の翌年以後において租税特別措置法
・第37条の12の2第5項(上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除)又は
・第37条の13の3第7項(特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除等)
の規定の適用を受けようとするときは、税務署長に対し、

その年において生じた同法第37条の12の2第6項に規定する
上場株式等に係る譲渡損失の金額
(以下この項において「上場株式等に係る譲渡損失の金額」という。)
その年の前年以前3年内の各年において生じた
上場株式等に係る譲渡損失の金額、
その年において生じた
同法第37条の13の3第8項に規定する特定株式に係る譲渡損失の金額
(同条第4項の規定の適用を受けて控除されたものを除く。以下この項において「特定株式に係る譲渡損失の金額」という。)
その年の前年以前3年内の各年において生じた
特定株式に係る譲渡損失の金額
その他の政令で定める事項を記載した申告書を提出することができる。

次の各号

1号 その年において生じた
・上場株式等に係る譲渡損失の金額又は
・特定株式に係る譲渡損失の金額がある場合

2号 その年において生じた雑損失の金額が
その年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額を超える場合

3号 その年の前年以前3年内(注1)の各年において生じた
上場株式等に係る譲渡損失の金額及び
特定株式に係る譲渡損失の金額(注2)の合計額が、
これらの金額を控除しないで計算した場合のその年分の同法
第37条の10第1項(一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)に規定する
一般株式等に係る譲渡所得等の金額、
第37条の11第1項(上場株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)に規定する
上場株式等に係る譲渡所得等の金額及び
同法第37条の12の2第5項に規定する
上場株式等に係る配当所得等の金額の合計額
を超える場合

注1、その年の前年以前3年内
第70条の2第1項から第3項まで
(特定非常災害に係る純損失の繰越控除の特例)又は
第71条の2第1項
(特定非常災害に係る雑損失の繰越控除の特例)
の規定の適用がある場合には、前年以前5年内。次項第2号において同じ。)

注2、上場株式等に係る譲渡損失の金額及び特定株式に係る譲渡損失の金額
租税特別措置法第37条の12の2第5項又は第37条の13の3第7項
の規定により前年以前において控除されたものを除く。


1号は、
本年分の売却損を3年間繰り越す場合です。

2号は、
雑損失の金額(雑損控除しきれない損失の金額)を3年間繰り越す場合です。

3号は、
過去の売却損を翌期以後に繰り越す場合です。

上記1号から3号までのいずれかに該当する居住者等が、
・上場株式等の売却損の特例(繰越控除)
・エンジェル税制の売却損の特例(繰越控除)
の適用を受けようとする場合には、
確定損失申告が可能です。

その他の内容は、政令(租税特別措置法施行令)で規定されています。

11 払込みにより取得をした特定株式及び当該特定株式と同一銘柄の他の株式を有する者につき第一項に規定する事実が発生した場合における同項の規定の特例、当該特定株式及び当該特定株式と同一銘柄の他の株式を有する者につきこれらの株式の譲渡をしたことによる損失の金額が生じた場合における第八項に規定する特定株式に係る譲渡損失の金額の計算の特例その他第一項、第四項及び第七項から前項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

租税特別措置法37条の13の3、施行日令和5年10月1日
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