カジノ業務に係る仕入れに係る消費税額の控除の特例


今回は、改正予定の「カジノ業務に係る仕入れに係る消費税額の控除の特例」を確認します。カジノ業務収入については対価性のない収入のため、国等の特例と同様に仕入税額控除の規制が設けられる予定です。

内容

規定が長いため、カッコ書きを外して確認します。

消費税法第30条第1項の規定は、認定設置運営事業者(注1)が、国内(注2)において行う課税仕入れ(注3)若しくは特定課税仕入れ又は保税地域から引き取る課税貨物(注4)に係る課税仕入れ等の税額(注5)については、適用しません。

カッコ書きの内容

注1、認定設置運営事業者
特定複合観光施設区域整備法第二条第九項に規定する認定設置運営事業者をいい、消費税法第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。次項及び第四項において同じ。

・区域整備計画の認定を受けた設置運営事業者を認定設置運営事業者といい、免税事業者を除きます。

注2、国内
同法第二条第一項第一号に規定する国内をいう。次項及び第四項において同じ。

注3、課税仕入れ
同法第二条第一項第十二号に規定する課税仕入れをいい、特定課税仕入れ(同法第五条第一項に規定する特定課税仕入れをいう。以下この項、次項及び第四項において同じ。)に該当するものを除く。次項及び第四項において同じ。

注4
これらのうち特定複合観光施設区域整備法第二十八条第二項の規定によりカジノ業務(同法第二条第八項に規定するカジノ業務をいう。以下この条において同じ。)に係るものとして経理されるべきものに限る。

注5、課税仕入れ等の税額
消費税法第三十条第二項に規定する課税仕入れ等の税額をいう。次項及び第四項において同じ。

適用しない場合

その課税期間における資産の譲渡等の対価以外の収入のうち、カジノ業務に係るものとして経理されるべきもの(カジノ業務収入)の合計額が、その課税期間における資産の譲渡等の対価の額の合計額にそのカジノ業務収入の合計額を加算した金額に比べて、僅少である場合は、この限りではありません。

上記の規定は、国等の特例の規定と似たものですので、割合判定なのでしょう。

カジノ業務収入合計額(対価性なし)
----------------------
資産の譲渡等の対価の額の合計額(対価性あり)
+カジノ業務収入合計額(対価性なし)

法案では特定収入割合と同じ5%判定です。

まとめ

仕入税額控除の規定は、認定設置運営事業者が国内において行う課税仕入れ等(カジノ業務に係るものとして経理されるべきものに限定)に係る課税仕入れ等の税額については、適用されません。ただし、カジノ業務収入の割合が小さい場合は、規制されません。

2023/4/14、追加
実際にカジノ業務が始まるまでは、カジノ業務収入がないため、
設備投資関係などの課税仕入れについては、
要件を満たせば仕入税額控除が可能なのでしょうね。

参考法案

(カジノ業務に係る仕入れに係る消費税額の控除の特例)
第八十六条の六
消費税法第三十条第一項の規定は、認定設置運営事業者(特定複合観光施設区域整備法第二条第九項に規定する認定設置運営事業者をいい、消費税法第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。次項及び第四項において同じ。)が、国内(同法第二条第一項第一号に規定する国内をいう。次項及び第四項において同じ。)において行う課税仕入れ(同法第二条第一項第十二号に規定する課税仕入れをいい、特定課税仕入れ(同法第五条第一項に規定する特定課税仕入れをいう。以下この項、次項及び第四項において同じ。)に該当するものを除く。次項及び第四項において同じ。)若しくは特定課税仕入れ又は保税地域から引き取る課税貨物(これらのうち特定複合観光施設区域整備法第二十八条第二項の規定によりカジノ業務(同法第二条第八項に規定するカジノ業務をいう。以下この条において同じ。)に係るものとして経理されるべきものに限る。)に係る課税仕入れ等の税額(消費税法第三十条第二項に規定する課税仕入れ等の税額をいう。次項及び第四項において同じ。)については、適用しない。ただし、その課税期間における資産の譲渡等(同法第二条第一項第八号に規定する資産の譲渡等をいう。以下この項において同じ。)の対価以外の収入のうち特定複合観光施設区域整備法第二十八条第二項の規定によりカジノ業務に係るものとして経理されるべきもの(以下この項において「カジノ業務収入」という。)の合計額が当該課税期間における資産の譲渡等の対価の額の合計額に当該カジノ業務収入の合計額を加算した金額に比し僅少である場合として政令で定める場合に該当するときは、この限りでない。

租税特別措置法の一部改正、法案
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