グループ通算制度に伴う法人税の中間申告に関する経過措置


今回は、「グループ通算制度に伴う法人税の中間申告に関する経過措置」を確認します。

内容

原則として、事業年度がスタートしてから8か月以内に、前期の法人税の1/2を中間申告として申告・納付します。前期が連結納税制度、令和4年度からグループ通算制度で、それぞれの法人税の計算が異なるため、中間申告について経過措置が設けられています。

一般的な場合

簡単にまとめます。

・令和4年4月1日以後に開始する事業年度であること
・前期が連結事業年度であること

この場合は、前期の法人税ではなく、
前期の「連結法人税個別帰属支払額」で、
当期の6月経過日の前日までに確定したものを使用します。

一般的には、確定した金額÷12月(前期の月数)×6月(中間期間の月数)で
計算します。

前期に適格合併があった場合

適格合併があった場合には、存続している合併法人だけではなく、被合併法人の法人税の一部を加算する特例があります。この特例は単体納税にもあります。

注意点としては、以下2点です。
・前期の被合併法人の事業年度が6月以上であること
・最も新しい事業年度の期間が連結事業年度に該当すること

上記2点に該当する場合は前期の法人税ではなく、前期の被合併法人の「連結法人税個別帰属支払額」で、当期の6月経過日の前日までに確定したものを基礎に、加算額を計算します。

4月延長をしている場合

4月延長をしている場合で、先に6月経過日が到来する場合の特例です。

1、4月延長をしていること
2、国税通則法10条2項の適用があること
  期限が日曜、祝日の場合、翌日の月曜などが期限になる特例です。

仮定の日付で考えてみます。
4月延長ということは、
3月決算であれば、通常が2月以内なので、
5月末(通常の申告期限)
6月末(1月延長)、
7月末(2月延長)、
8月末(3月延長)、
9月末(4月延長)が確定申告期限となります。

9月30日(土)が本来の申告期限
 (6月経過日の前日=中間申告の計算基準日)
10月1日(日)が日曜日であれば延長
10月2日(月)が申告期限とみなされる日となります。

祝日等の延長がなかった場合の当該申告書の提出期限(9/30)の翌日(10/1)から同項の規定により当該申告書の提出期限とみなされる日(10/2)までの間に税額が確定したときは、6月経過日(10/1)の前日(9/30)までに当該金額が確定したものとみなします。

中間申告は、確定申告をベースに計算します。確定申告期限が祝日等であれば、先に6月経過日の前日が到来してしまうため、確定申告が済んでいないことがあります。仮に確定申告が済んでいない理由が祝日等で、申告期限とみなされた日までに適正に申告していれば、6月経過日の前日までに法人税が確定しているみなして、中間申告税額を計算する規定です。

参考規定

(中間申告に関する経過措置)
第三十三条 新法人税法第七十一条第一項の普通法人の令和四年四月一日以後に開始する同項に規定する事業年度において、当該事業年度の前事業年度の期間が連結事業年度に該当する場合には、その普通法人が提出すべき当該事業年度の中間申告書については、同項第一号に掲げる金額は、同号の規定にかかわらず、当該前事業年度のその普通法人に係る旧法人税法第七十一条第一項第一号に規定する連結法人税個別帰属支払額(次項において「連結法人税個別帰属支払額」という。)で新法人税法第七十一条第一項に規定する六月経過日(次項及び第四項において「六月経過日」という。)の前日までに確定した当該前事業年度の連結確定申告書に記載すべき旧法人税法第八十一条の二十二第一項第二号に掲げる金額に係るものを当該前事業年度の月数で除し、これに新法人税法第七十一条第一項第一号に規定する中間期間の月数を乗じて計算した金額とする。

 新法人税法第七十一条第一項の場合において、同項の普通法人が同条第二項各号に掲げる期間内に行われた適格合併(法人を設立するものを除く。)に係る合併法人又は法人を設立する適格合併に係る合併法人であるとき(その普通法人の当該事業年度開始の日の一年前の日以後に終了したこれらの適格合併に係る被合併法人の各事業年度(その月数が六月に満たないものを除く。)のうち最も新しい事業年度の期間が連結事業年度に該当する場合に限る。は、同項及び同条第三項の規定の適用については、当該被合併法人の同条第二項第一号に規定する被合併法人確定法人税額は、当該最も新しい事業年度の当該被合併法人の連結法人税個別帰属支払額六月経過日の前日までに確定した当該最も新しい事業年度の連結確定申告書に記載すべき旧法人税法第八十一条の二十二第一項第二号に掲げる金額に係るものとする。

 前二項の月数は、暦に従って計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。

 第一項の連結事業年度に該当する事業年度の旧法人税法第八十一条の二十二第一項の規定による申告書の提出期限が旧法人税法第八十一条の二十四第一項の規定により四月間延長されている場合で、かつ、当該申告書の提出期限につき国税通則法第十条第二項の規定の適用がある場合において、同項の規定の適用がないものとした場合における当該申告書の提出期限の翌日から同項の規定により当該申告書の提出期限とみなされる日までの間に連結確定申告書に記載すべき旧法人税法第八十一条の二十二第一項第二号に掲げる金額が確定したときは、六月経過日の前日までに当該金額が確定したものとみなして、第一項及び第二項の規定を適用する。

法人税法附則(令和2年3月31日法律第8号)

(期間の計算及び期限の特例)第十条
 国税に関する法律に定める申告、申請、請求、届出その他書類の提出、通知、納付又は徴収に関する期限(時をもつて定める期限その他の政令で定める期限を除く。)が日曜日、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日その他一般の休日又は政令で定める日に当たるときは、これらの日の翌日をもつてその期限とみなす。

国税通則法
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