プラットフォーム課税がある場合の消費税の控除


今回は、プラットフォーム課税がある場合の
消費税の控除を確認してみましょう。

仕入税額控除等の読替規定

プラットフォーム課税は、
サービスの提供を行った国外事業者ではなく、
デジタルプラットフォームを提供する事業者に対して
消費税がかかる制度です。

プラットフォーム課税は消費税の売上に関する特例ですが、
仕入に関する読替規定(特例)も新設されていますので、
一緒に確認してみましょう。

読替規定はこちら↓

3 法第十五条の二第一項の規定の適用を受ける国外事業者の法第三十条、第三十二条、第三十四条及び第三十五条の規定の適用については、法第三十条第二項第一号、第三十二条第一項第二号イ及び第四項第二号イ、第三十四条第一項並びに第三十五条中「課税資産の譲渡等に」とあるのは、「課税資産の譲渡等(第十五条の二第一項の規定の適用を受ける電気通信利用役務の提供を含む。)に」とする。

消費税法施行令第29条第3項、施行日令和6年4月1日

読替えの対象となる規定は、次の4つです。

消費税法
・第30条_仕入税額控除
・第32条_仕入返還
・第34条_転用調整_非課税業務用に転用した場合
・第35条_転用調整_課税業務用に転用した場合

読替後の規定を確認してみましょう。
消費税法第30条第2項第1号は、個別対応方式に関する内容です。


2 前項の場合において、同項に規定する課税期間における課税売上高が五億円を超えるとき、又は当該課税期間における課税売上割合が百分の九十五に満たないときは、同項の規定により控除する課税仕入れに係る消費税額、特定課税仕入れに係る消費税額及び同項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物につき課された又は課されるべき消費税額(以下この章において「課税仕入れ等の税額」という。)の合計額は、同項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める方法により計算した金額とする。
一 当該課税期間中に国内において行つた課税仕入れ及び特定課税仕入れ並びに当該課税期間における前項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物につき、課税資産の譲渡等(第十五条の二第一項の規定の適用を受ける電気通信利用役務の提供を含む。)のみ要するもの、課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等(以下この号において「その他の資産の譲渡等」という。)にのみ要するもの及び課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものにその区分が明らかにされている場合 イに掲げる金額にロに掲げる金額を加算する方法
イ 課税資産の譲渡等(第十五条の二第一項の規定の適用を受ける電気通信利用役務の提供を含む。)のみ要する課税仕入れ、特定課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額
ロ 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ、特定課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額
二 前号に掲げる場合以外の場合 当該課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算する方法

1号の個別対応方式については、課税仕入れを
・課税売上げにのみ要するもの
・非課税売上げにのみ要するもの
・上記2つに該当しないもの
の3つに区分する必要があります。

読み替えると課税仕入れを
・課税売上げにのみ要するもの
(プラットフォーム課税対象サービスの提供を含む。)
・非課税売上げにのみ要するもの
・上記2つに該当しないもの
の3つに区分する必要があります。

プラットフォーム課税の適用を受けると、
実際にサービスの提供を行った国外事業者は、
サービスの提供を行っていない事業者として取り扱われます。

特定プラットフォーム事業者が
サービスの提供を行ったものとして取り扱われるからです。

読替規定がない場合、
国外事業者のサービスの提供に関する仕入れは、
・上記2つに該当しないもの(共通対応)
に該当することになり、消費税の負担が増加します。

そのため、読替規定により、
課税売上げにのみ要するものとして
消費税の控除ができるようになっています。

第32条第1項第2号イは個別対応方式の国内取引に関する規定、
第4項第2号イは個別対応方式の輸入取引に関する規定で
それぞれ、国外事業者のサービスの提供を
課税売上げにのみ要するものに含めて
仕入返還の計算をする必要があります。

非課税業務用に転用した場合

読替後の規定を確認してみましょう。

(課税業務用調整対象固定資産を非課税業務用に転用した場合の仕入れに係る消費税額の調整)
第三十四条 事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が、国内において調整対象固定資産の課税仕入れ若しくは特定課税仕入れを行い、又は調整対象固定資産に該当する課税貨物を保税地域から引き取り、かつ、当該課税仕入れ若しくは特定課税仕入れ又は当該課税貨物に係る課税仕入れ等の税額(以下この項において「調整対象税額」という。)につき第三十条第二項第一号に定める方法により同号に規定する課税資産の譲渡等(第十五条の二第一項の規定の適用を受ける電気通信利用役務の提供を含む。)のみ要するものとして仕入れに係る消費税額を計算した場合において、以下省略

国外事業者のサービスの提供にのみ要する調整対象固定資産を
非課税業務用に転用した場合は、転用調整の対象となります。

課税業務用に転用した場合

読替後の規定を確認してみましょう。

(非課税業務用調整対象固定資産を課税業務用に転用した場合の仕入れに係る消費税額の調整)

第三十五条 事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が、国内において調整対象固定資産の課税仕入れ若しくは特定課税仕入れを行い、又は調整対象固定資産に該当する課税貨物を保税地域から引き取り、かつ、当該課税仕入れ若しくは特定課税仕入れ又は当該課税貨物に係る課税仕入れ等の税額(以下この条において「調整対象税額」という。)につき第三十条第二項第一号に定める方法により同号に規定するその他の資産の譲渡等にのみ要するものとして仕入れに係る消費税額がないこととした場合において、当該事業者(相続により当該事業者の当該調整対象固定資産に係る事業を承継した相続人、合併により当該事業を承継した合併法人及び分割により当該調整対象固定資産に係る事業を承継した分割承継法人を含むものとし、これらの者のうち第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される者を除く。)が当該調整対象固定資産を当該課税仕入れの日若しくは当該特定課税仕入れの日又は当該保税地域からの引取りの日から三年以内に同号に規定する課税資産の譲渡等(第十五条の二第一項の規定の適用を受ける電気通信利用役務の提供を含む。)係る業務の用に供したときは、当該業務の用に供した日が次の各号に掲げる期間のいずれに属するかに応じ当該各号に定める消費税額を同日の属する課税期間における仕入れに係る消費税額に加算する。この場合において、当該加算をした後の金額を当該課税期間における仕入れに係る消費税額とみなす。

非課税売上対応の調整対象固定資産を
国外事業者のサービスの提供にのみ要する業務に転用した場合は、
転用調整の対象となります。

調整対象固定資産の読替規定がない場合、
課税・非課税業務用に転用した場合の調整の対象から外れるため、
読替規定により、調整の対象としています。


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