リース譲渡の特例計算を選択している個人事業者が亡くなった場合


今回は、リース譲渡の特例計算を選択している個人事業者が亡くなった場合を確認してみましょう。

リース譲渡の特例計算をしている場合

リース譲渡の特例は、
・延払基準の方法による経理
・リース譲渡の特例計算
の2つに分かれます。

個人事業者が亡くなった場合の取扱いについても
2つに分けて規定されていますが、
リース譲渡の特例計算の停止要件は、延払基準の場合と同じです。

具体的な要件は次の3つです。
・個人事業者が亡くなり、事業を承継した相続人がいない。
・リース事業の全部を売却、廃止した。
・個人事業者が(税法で規定する)出国をした。

事業を承継した相続人が上記3つのいずれかに該当した場合も
リース譲渡の特例計算が終了します。

相続人がいる場合

リース事業を承継した場合は、
相続人が延払基準の方法により経理することが、
繰延計算の要件となっています。

リース譲渡の特例計算については、
延払基準の方法による経理が要件となっていないため、
相続人の延払基準の方法による経理は不要です。

繰延計算を継続するための要件は
「リース譲渡の契約の移転」です。

相続人がリース譲渡の契約の移転を受けた場合、
自動的にリース譲渡の特例計算が引き継がれます。

相続を理由に、リース譲渡の特例計算を
延払基準の方法に変更できないことになります。

参考規定

リース譲渡の特例計算を選択している個人事業者が亡くなった場合等

5 リース譲渡に係る収入金額及び費用の額につき法第六十五条第二項の規定の適用を受けている居住者が第一項各号に掲げる場合に該当することとなつたときは、その該当することとなつた日の属する年以前の各年においてその者がしたリース譲渡に係る収入金額及び費用の額(当該各年分の事業所得の金額の計算上総収入金額及び必要経費に算入されるものを除く。)は、同条第二項の規定にかかわらず、その者の同日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額及び必要経費に算入する。

所得税法施行令191条第5項、施行日令和6年4月1日

リース譲渡の特例計算の引継ぎ

6 リース譲渡に係る収入金額及び費用の額につき法第六十五条第二項の規定の適用を受けている居住者が死亡した場合において、その者の当該リース譲渡に係る事業を承継した相続人が当該居住者から同項の規定の適用を受けているリース譲渡に係る契約の移転を受けたときは、当該死亡の日の属する年以後の各年分における当該相続人の同項の規定の適用については、当該リース譲渡に係る対価の額及び原価の額並びにリース期間(第百八十八条第一項第二号イに規定するリース期間をいう。以下この項において同じ。)は当該相続人が行つたリース譲渡に係る対価の額及び原価の額並びにリース期間と、当該居住者がした法第六十五条第三項の明細の記載は当該相続人がしたものと、それぞれみなす。

所得税法施行令191条第6項、施行日令和6年4月1日

準用規定

8 第五項の規定は、第六項の規定の適用を受けている同項の相続人が第一項各号に掲げる場合に該当することとなつた場合について準用する。

所得税法施行令191条第8項、施行日令和6年4月1日
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