一般会計等の消費税の取扱い


今回は、一般会計等の消費税を確認してみましょう。

一般会計の取扱い

国や地方公共団体については、
一般会計と別に特別会計が設けられることがあります。

特別会計が設けられた場合、
・一般会計の事業
・特別会計の事業
をそれぞれ、別の法人が行った事業として消費税の計算が必要となります。

ただし、特別会計の事業であっても、一般会計に
資産の譲渡等(資産の譲渡、資産の貸付け、サービスの提供)を行うものは、
一般会計の事業として取り扱われます。

例えば、次の4つの事業がある場合
・A一般会計の事業
・B特別会計の事業
・C特別会計の事業(ほとんどA一般会計に資産の譲渡等を行う)

一般会計と2つの特別会計は、
それぞれ別の法人の事業となります。

C特別会計の事業は、ほとんどA一般会計に資産の譲渡等を行っていますので、
特別会計の事業ではなく、一般会計の事業として取り扱われます。

「ほとんど」の割合は、95%以上です。95%以上でない場合は、
一般会計の事業ではなく特別会計の事業となります。

受け取った消費税と支払った消費税は同額

一般会計の消費税は、
「支払った消費税」を「受け取った消費税」と同額として計算します。

必ず同額となるため、消費税の納付や還付はありません。

申告義務の免除とインボイス制度

一般会計については、免税事業者の判定から外れるため、
課税事業者となります。

・受け取った消費税=支払った消費税
となるため、中間申告や確定申告は必要ありません。
必ず消費税は同額となるため、帳簿の備付えも不要です。

一般会計は免税事業者になれないため、
・課税事業者届出書
・課税事業者でなくなった旨の届出書
等の提出も不要となります。

インボイス制度について
一般会計と特別会計は別々の法人として取り扱われるため、
会計別にインボイスの登録申請が必要となります。

参考情報など

一般会計と特別会計は別の法人

第六十条 国若しくは地方公共団体が一般会計に係る業務として行う事業又は国若しくは地方公共団体が特別会計を設けて行う事業については、当該一般会計又は特別会計ごとに一の法人が行う事業とみなして、この法律の規定を適用する。ただし、国又は地方公共団体が特別会計を設けて行う事業のうち政令で定める特別会計を設けて行う事業については、一般会計に係る業務として行う事業とみなす。

消費税法第60条第1項、施行日令和6年4月9日

受け取った消費税=支払った消費税となります。

6 第一項の規定により一の法人が行う事業とみなされる国又は地方公共団体の一般会計に係る業務として行う事業については、第三十条から第三十九条までの規定によりその課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除することができる消費税額の合計額は、これらの規定にかかわらず、当該課税標準額に対する消費税額と同額とみなす。

消費税法第60条第6項、施行日令和6年4月9日

申告義務の免除など

7 国又は地方公共団体が一般会計に係る業務として事業を行う場合には、第九条、第四十二条、第四十五条、第五十七条及び第五十八条の規定は、適用しない。

消費税法第60条第7項、施行日令和6年4月9日

第9条、消費税の納税義務の免除
第42条、中間申告
第45条、確定申告
第57条、各種届出書の提出義務
第58条、帳簿の備付けの義務等

一般会計として扱われる特別会計

(一般会計とみなされる特別会計の範囲等)
第七十二条 法第六十条第一項ただし書に規定する政令で定める特別会計は、専ら当該特別会計を設ける国又は地方公共団体の一般会計に対して資産の譲渡等を行う特別会計とする。

消費税法施行令第72条第1項、施行日令和6年4月1日

財務省、一般会計に対して、特別会計とは何ですか
https://www.mof.go.jp/faq/budget/01al.htm

参考情報、国分寺市ホームページ、財政 よくある質問
一般会計と特別会計とは何ですか。どうして会計が複数あるのですか。
https://www.city.kokubunji.tokyo.jp/faq/kurashi/1005242/1005311/1006413.html

財政法

第十三条 国の会計を分つて一般会計及び特別会計とする。
② 国が特定の事業を行う場合、特定の資金を保有してその運用を行う場合その他特定の歳入を以て特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合に限り、法律を以て、特別会計を設置するものとする。

財政法第13条
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