事業を廃止した場合のリース譲渡等の取扱い


今回は、事業を廃止した場合のリース譲渡等を確認してみましょう。

事業を廃止した場合等

リース譲渡に関係するリース取引を解除した場合は、
リース譲渡の繰延計算が終了します。

事業を廃止した場合も同様にリース譲渡の繰延計算が終了します。

具体的な要件は、次の3つ。
・個人事業者が亡くなり、事業を承継した相続人がいない。
・リース事業の全部を売却、廃止した。
・個人事業者が(税法で規定する)出国をした。

事業を承継した相続人が上記3つのいずれかに該当した場合も
同様にリース譲渡の繰延計算が終了します。

参考規定、事業を廃止した場合等のリース譲渡の取扱い

(事業の廃止、死亡等の場合のリース譲渡に係る収入及び費用の帰属時期)
第百九十一条 リース譲渡に係る収入金額及び費用の額につき法第六十五条第一項(リース譲渡に係る収入及び費用の帰属時期)の規定の適用を受けている居住者が次に掲げる場合に該当することとなつたときは、その該当することとなつた日の属する年以前の各年においてその者がしたリース譲渡に係る収入金額及び費用の額(当該各年分の事業所得の金額の計算上総収入金額及び必要経費に算入されるものを除く。)は、同項の規定にかかわらず、その者の同日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額及び必要経費に算入する。
一 その者が死亡した場合において、当該リース譲渡に係る事業を承継した相続人がないとき。
二 その者が当該リース譲渡に係る事業の全部を譲渡し、又は廃止した場合
三 その者が出国をした場合

所得税法施行令191条第1項、施行日令和6年4月1日

相続人が亡くなった場合等の準用

4 第一項の規定は、第二項の規定の適用を受けている同項の相続人が第一項各号に掲げる場合に該当することとなつた場合について準用する。

所得税法施行令191条第4項、施行日令和6年4月1日
相続人がいる場合

リース事業を承継した相続人がいる場合は、
相続人が延払基準の方法により経理した場合に限り、
売上とコストの繰延計算の継続が可能となります。

この場合、亡くなった個人事業者が既に回収した代金については、
事業を承継した相続人が代金を回収したものとして、繰延計算します。
亡くなった個人事業者の所得計算で考慮されているからです。

参考規定、リース事業を相続により承継した場合

2 リース譲渡に係る収入金額及び費用の額につき法第六十五条第一項の規定の適用を受けている居住者が死亡した場合において、その者の当該リース譲渡に係る事業を承継した相続人が当該収入金額及び費用の額につき、当該死亡の日の属する年以後の各年において同項に規定する延払基準の方法(以下この条において「延払基準の方法」という。)により経理したときは、その経理した収入金額及び費用の額は、当該各年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額及び必要経費に算入する。この場合において、当該収入金額及び費用の額に係る第百八十八条第一項第一号(延払基準の方法)の規定の適用については、同号中「支払を受けている金額」とあるのは、「支払を受けている金額(既にその死亡した居住者が支払を受けている金額を含む。)」とする。

所得税法施行令191条第2項、施行日令和6年4月1日
延払基準の経理を止めた場合

事業を相続人が延払基準の経理を止めた場合は、
経理を止めた年分で繰り延べた売上とコストの残高を
一括計上する必要があります。

参考規定

3 前項に規定する居住者が死亡した場合において、その者の同項に規定する事業を承継した相続人が、当該死亡の日の属する年以後のいずれかの年においてその居住者のリース譲渡に係る収入金額及び費用の額につき延払基準の方法により経理しなかつたときは、その居住者のリース譲渡に係る収入金額及び費用の額(その居住者の各年分の事業所得の金額又は当該相続人のその年の前年分以前の各年分の事業所得の金額の計算上総収入金額及び必要経費に算入されるものを除く。)は、その該当することとなつた年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額及び必要経費に算入する。

所得税法施行令191条第3項、施行日令和6年4月1日

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