事業的規模以外の業務用資産の損失


取扱い

対象となる所得区分は、不動産所得と雑所得の2つです。
事業所得はありません。

対象となる資産は、不動産所得や雑所得が発生する業務用資産です。
この業務用資産からは、山林と生活に通常必要でない資産が除かれます。

業務用資産の損失からは、
受け取った保険金等の金額を除きます。
事業用資産の損失と同じ取扱いです。

他には、資産の譲渡損失、事業用資産の損失、事業用債権の貸倒損失、
雑損控除に関する資産(生活に通常必要な資産)が除かれます。

事業用資産の損失、事業用債権の貸倒損失、山林の資産損失の3つと異なり、
事業的規模以外の業務用資産の損失については、所得を限度として、
必要経費に算入します。赤字にはなりません。

具体例

例えば、雑所得の内訳が次の場合
収入 1000円
必要経費 700円
業務用資産の損失 2000円

業務用資産の損失前の所得 1000円-700円=300円
業務用資産の損失の必要経費
2000円>300円 → 少ない金額300円

雑所得の金額 300円-300円(資産損失)=0円となります。

事業所得の場合は、
300円-2000円(資産損失)=△1700円となり、
損益通算(他の所得と相殺)の対象となります。

参考規定

4 居住者の不動産所得若しくは雑所得を生ずべき業務の用に供され又はこれらの所得の基因となる資産(山林及び第六十二条第一項(生活に通常必要でない資産の災害による損失)に規定する資産を除く。)の損失の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額、資産の譲渡により又はこれに関連して生じたもの及び第一項若しくは第二項又は第七十二条第一項(雑損控除)に規定するものを除く。)は、それぞれ、その者のその損失の生じた日の属する年分の不動産所得の金額又は雑所得の金額(この項の規定を適用しないで計算したこれらの所得の金額とする。)を限度として、当該年分の不動産所得の金額又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入する。

所得税法51条

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