令和6年度分の個人住民税の定額減税と仮特別徴収税額


今回は、令和6年度分の個人住民税の定額減税と
仮特別徴収税額を確認してみましょう。

個人住民税の定額減税

定額減税は、所得税(国税)と個人住民税(地方税)に分けて実施されます。

所得税は原則として30,000円が所得税からマイナス、
個人住民税は原則として10,000円が個人住民税からマイナスされます。

参考規定

4 市町村は、令和六年度分の個人の市町村民税に限り、市町村民税に係る令和六年度分特別税額控除額を、特別税額控除対象納税義務者の第三百十四条の三、第三百十四条の六から第三百十四条の九まで、附則第三条の三第五項、附則第五条第三項、附則第五条の四の二第五項、附則第五条の五第二項及び附則第七条の二第四項の規定を適用した場合の所得割の額から控除する。

地方税法附則第5条の8第4項、施行日令和6年4月9日
定額減税の内訳

個人住民税については、さらに
・道府県民税
・市町村民税
の2つに分けて実施されます。

道府県民税と市町村民税から合わせて10,000円をマイナスします。
計算方法は次の2つです。

道府県民税と市町村民税の合計額が
・10,000円を超える場合
・10,000円を超えない場合

10,000円を超える場合は、定額減税の10,000円を
・道府県民税の税額
・市町村民税の税額
の割合で按分してマイナスします。

例えば、県民税20,000円、市民税30,000円の場合、
定額減税は、10,000円×県民税割合40%=4,000円となります。

県民税割合=県民税÷(県民税+市民税)
40%=20,000円+(20,000円+30,000円)

10,000円から「道府県民税の定額減税4,000円」を
控除した残りの6,000円が市町村民税の定額減税となります。

定額減税の加算対象者については、
道府県民税の取扱いと同じです。

参考規定

5 前項の市町村民税に係る令和六年度分特別税額控除額は、個人の住民税の所得割の額が一万円(特別税額控除対象納税義務者が控除対象配偶者又は扶養親族(第三百十四条の二第八項の規定による判定をするときの現況においてこの法律の施行地に住所を有しない者を除く。以下この項において「控除対象配偶者等」という。)を有する場合には、一万円に当該控除対象配偶者等一人につき一万円を加算した金額)を超える場合には一万円(特別税額控除対象納税義務者が控除対象配偶者等を有する場合には、一万円に当該控除対象配偶者等一人につき一万円を加算した金額)から道府県民税特別税額控除額を控除して得た金額とし、個人の住民税の所得割の額が一万円(特別税額控除対象納税義務者が控除対象配偶者等を有する場合には、一万円に当該控除対象配偶者等一人につき一万円を加算した金額)を超えない場合には第二項第二号に掲げる額に相当する金額とする。

地方税法附則第5条の8第5項、施行日令和6年4月9日
定額減税と仮特別徴収税額との関係

個人住民税の定額減税に係るQ&A集、
Q6-4を確認してみましょう。

総務省、個人住民税の定額減税に係るQ&A集
https://www.soumu.go.jp/main_content/000939504.pdf

年金所得に係る仮特別徴収税額については、
定額減税が考慮されません。

仮特別徴収税額は、
法人税・所得税・消費税でいう税金の前払いです。

例えば、次の場合で考えてみましょう。
・定額減税前の税金 10,000円
・定額減税の控除 10,000円
・定額減税後の税金 0円

定額減税後の税金は0円のため、
仮特別徴収税額(前払い)の金額も
0円(0円×1/2=0円)となります。

前払いの税金は減少しますが、
定額減税は原則として1年限りですので、
・仮特別徴収税額(前払い) 0円
・本徴収税額(年間の税金-前払いの税金) 10,000円
となり、負担感が増加します。

そのため、仮特別徴収税額については、
定額減税が考慮されません。

定額減税を考慮しない場合、
・定額減税前の仮特別徴収税額(前払い) 10,000円×1/2=5,000円
・本徴収税額(年間の税金-前払いの税金) 10,000円-5,000円=5,000円
となり、負担感が変わらない仕組みです。

参考規定

定額減税がある場合の読替規定

6 前二項の規定の適用がある場合における第三百十四条の七第十一項、第三百二十一条の七の八第一項及び附則第五条の五第二項の規定の適用については、第三百十四条の七第十一項及び附則第五条の五第二項中「所得割の額」とあるのは「所得割の額(附則第五条の八第四項及び第五項の規定の適用を受ける前のものをいう。)」と、第三百二十一条の七の八第一項中「課した」とあるのは「附則第五条の八第四項及び第五項の規定の適用がないものとした場合に課すべき」と、「の前々年中」とあるのは「のこれらの規定の適用がないものとした場合における前々年中」と、「、前々年中」とあるのは「、附則第五条の八第四項及び第五項の規定の適用がないものとした場合における前々年中」とする。

地方税法附則第5条の8第6項、施行日令和6年4月9日

・第314条の7第11項(寄附金税額控除)
・附則第5条の5第2項(寄附金税額控除における特例控除額の特例)
・第321条の7の8第1項(年金所得に係る仮特別徴収税額等)

年金所得に係る仮特別徴収税額等(読替後)

(年金所得に係る仮特別徴収税額等)
第三百二十一条の七の八 市町村は、前年の十月一日からその翌年の三月三十一日までの間における特別徴収対象年金給付の支払の際、第三百二十一条の七の二第一項の規定により第三百二十一条の七の五第二項に規定する支払回数割特別徴収税額を徴収されていた特別徴収対象年金所得者について、老齢等年金給付が当該年度の初日からその日の属する年の九月三十日までの間において支払われる場合には、当該特別徴収対象年金所得者の前年中の公的年金等に係る所得に係る所得割額及び均等割額の合算額として年金所得に係る仮特別徴収税額(当該市町村が当該特別徴収対象年金所得者に対して附則第五条の八第四項及び第五項の規定の適用がないものとした場合に課すべき前年度分の個人の市町村民税のうち当該特別徴収対象年金所得者のこれらの規定の適用がないものとした場合における前々年中の公的年金等に係る所得に係る所得割額及び均等割額の合算額(当該特別徴収対象年金所得者に係る均等割額を第三百二十一条の三第一項の規定により特別徴収の方法によつて徴収した場合には、附則第五条の八第四項及び第五項の規定の適用がないものとした場合における前々年中の公的年金等に係る所得に係る所得割額)の二分の一に相当する額(当該額に百円未満の端数があるときはその端数金額を切り捨て、当該額が百円未満であるときは百円とする。)をいう。次条から第三百二十一条の七の十二までにおいて同じ。)を、当該年度の初日からその日の属する年の九月三十日までの間において特別徴収対象年金給付の支払をする際、特別徴収の方法によつて徴収するものとする。

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