今回は、仮装経理で余分に支払った法人税の取扱いを確認してみましょう。
内容
粉飾決算などで余分に法人税を支払った場合であっても、要件を満たせば支払った法人税が還付されます。ただし、還付の条件が厳しくなります。
要件は3つあります。
1つ目の要件が、
・確定申告書に記載した所得の金額>正しい所得の金額
となる場合です。
例えば、次の場合です。
・確定申告書に記載した所得の金額 1000万円
・正しい所得の金額 0円
2つ目の要件が、正しい所得の金額を超える金額のうち
・仮装経理したもの
があるときです。
単純な計算誤りや記載誤りは含まれません。
3つ目の要件が、税務署長の更正があったときです。
3つの要件を満たした場合、仮装経理に対応する法人税(仮装経理法人税額)は、原則として還付されません。
参考規定
原則として、粉飾決算の法人税は還付されない。
(仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の還付の特例)
法人税法135条第1項、令和7年4月1日施行
第百三十五条 内国法人の提出した確定申告書に記載された各事業年度の所得の金額が当該事業年度の課税標準とされるべき所得の金額を超え、かつ、その超える金額のうちに事実を仮装して経理したところに基づくものがある場合において、税務署長が当該事業年度の所得に対する法人税につき更正をしたとき(当該内国法人につき当該事業年度終了の日から当該更正の日の前日までの間に第三項各号又は第四項各号に掲げる事実が生じたとき及び当該内国法人を被合併法人とする適格合併に係る合併法人につき当該適格合併の日から当該更正の日の前日までの間に当該事実が生じたときを除く。)は、当該事業年度の所得に対する法人税として納付された金額で政令で定めるもののうち当該更正により減少する部分の金額でその仮装して経理した金額に係るもの(以下この条において「仮装経理法人税額」という。)は、次項、第三項又は第七項の規定の適用がある場合のこれらの規定による還付金の額を除き、還付しない。
おまけ、カッコ書きの内容
粉飾決算を行った法人について
・事業年度終了の日から
・更正の日の前日まで
の間に一定の事実が生じたときは、更正をしたときから除外されます。
一定の事実は3つ。
1、第3項各号の事実、残余財産の確定や非適格合併など
2、第4項各号の事実、更生手続開始の決定など
3、粉飾決算を行った法人を被合併法人とする適格合併に係る合併法人について
・適格合併の日から
・更正の前日まで
の間に第3項各号や第4項の事実が生じたとき
原則として法人税は還付されませんが、例外の要件を満たした場合は法人税が還付される仕組みです。
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