会社更生等による債務免除等があつた場合の欠損金の繰越しの欠損金額の取扱い


今回は、「会社更生等による債務免除等があつた場合」の欠損金の繰越しの欠損金額の取扱いについて確認します。

内容

規定を見てもイメージが掴みにくい規定です。

内国法人(法法57条①)が一定の規定(法法59①②④)の適用を受ける場合には、その内国法人のこれらの規定に規定する適用年度(以下この5項において「適用年度」。)以後の各事業年度(法法59条④の規定の適用を受ける場合にあっては、適用年度「後」の各事業年度)における欠損金の繰越しの規定(法法57①)の適用については、欠損金額(法法57①)のうち一定の規定(法法59条①②④)の規定により適用年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される金額から成る部分の金額として政令で定める金額は、ないものとします。

法人税法59条は、
「会社更生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入」です。

更生手続開始の決定などがあった場合には、欠損金の繰越し(法法57)とは別に、会社更生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入(法法59)が使用できます。

この場合、会社更生等の損金算入の規定(法法59)を優先するため、
欠損金の繰越し(法法57)の欠損金については一定の調整が必要となります。

内国法人

-----|---更生手続開始の決定等---|-----
           ↓
欠損金額     適用年度 → 以後の各事業年度
           ↓
         法法59①②による損金算入
           ↓
         法法57①の欠損金のうち一定の金額はないものとなります。

参考規定

5 第一項の内国法人が第五十九条第一項、第二項又は第四項の規定の適用を受ける場合には、当該内国法人のこれらの規定に規定する適用年度(以下この項において「適用年度」という。)以後の各事業年度(同条第四項の規定の適用を受ける場合にあつては、適用年度後の各事業年度)における第一項の規定の適用については、同項に規定する欠損金額のうち同条第一項、第二項又は第四項の規定により適用年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される金額から成る部分の金額として政令で定める金額は、ないものとする。

法人税法57条

12 法第五十七条第五項に規定する政令で定める金額は、同項に規定する適用年度(以下この項において「適用年度」という。)において法第五十九条第一項、第二項又は第四項(会社更生等による債務免除等があつた場合の欠損金の損金算入)の規定の適用を受ける内国法人の第一号に掲げる金額(以下この項において「損金算入額」という。)が第二号に掲げる欠損金額(以下この項において「未使用欠損金額」という。)のうち最も古い事業年度において生じたものから順次成るものとした場合に当該損金算入額に相当する金額を構成するものとされた未使用欠損金額があることとなる事業年度ごとに当該事業年度の未使用欠損金額のうち当該損金算入額に相当する金額を構成するものとされた部分に相当する金額とする。
以下省略

法人税法施行令112条、適格合併等による欠損金の引継ぎ等

59条①②④の損金算入額が欠損金額のうち最も古い事業年度において生じたものから順次成るものとした場合に、その損金算入額相当額を構成するものとされた未使用欠損金額があることとなる事業年度ごとに、その事業年度の未使用欠損金額のうちその損金算入額相当額を構成するものとされた部分相当額とする。

(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

十九 欠損金額 各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額が当該事業年度の益金の額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。

法人税法2条

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