使途不特定財産額の保有の上限額


今回は、使途不特定財産額の保有の上限額を確認してみましょう。

使途不特定財産

公益法人は、
・現に使用されず、
・今後も使用されることが見込まれない
財産(使途不特定財産)を上限額を超えて保有できません。

参考リンク
使途不特定財産額の保有制限

上限額の計算

上限額の計算方法については、内閣府令(施行規則)を確認してみましょう。

(使途不特定財産額の保有の上限額)
第三十四条 法第十六条第一項の内閣府令で定めるところにより算定した額(以下「基準額」という。)は、当該事業年度の開始の日前五年以内に開始した各事業年度における第一号から第三号までに掲げる額の合計額から第四号から第六号までに掲げる額の合計額を控除して得た額(当該各事業年度のうちその期間が一年でない事業年度については、当該控除して得た額をその事業年度の月数で除し、これに十二を乗じて得た額)の一事業年度当たりの平均額とする。以下省略

公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律施行規則第34条第1項、施行日令和7年4月1日

上限額(基準額)は、その事業年度が開始する日「前」5年以内に開始した各事業年度の

・第1号から第3号までの合計額
から
・第4号から第6号までの合計額
をマイナスした金額

を求めた後に、1事業年度の当たりの平均を求めます。

新しい制度では、過去5年間の平均に変わります。

上限額の例外

例外がありますので、例外も確認してみましょう。

ただし、基準額を当該事業年度又は当該事業年度の前事業年度における第一号から第三号までに掲げる額の合計額から第四号から第六号までに掲げる額の合計額を控除して得た額とする合理的な理由がある場合には、当該額(当該事業年度又は前事業年度が一年でない場合には、当該額をその事業年度の月数で除し、これに十二を乗じて得た額)を基準額とすることができる。以下省略

公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律施行規則第34条第1項ただし書き、施行日令和7年4月1日

・第1号から第3号までの合計額
から
・第4号から第6号までの合計額
をマイナスした金額は、同じです。

合理的な理由がある場合、対象となる事業年度を
・その事業年度(当期)
・その事業年度の前事業年度(前期)
の2つから選択が可能となります。

事業年度が1年でない場合は、年換算する必要があります。

月数計算のルールは、2つあります。
1、暦に応じて計算し、1月に満たない場合は1月とします。
2、1月に満たない端数は、切り捨てます。

例外を選択した場合は、「事業年度経過後3月以内に作成し備え置くべき書類」の第6号書類「使途不特定財産額に関する数値及びその計算の明細を記載した書類」に、例外を選択した合理的な理由を記載する必要があります。

プラス項目

第1号から第3号までを確認してみましょう。

第1号、公益目的事業の事業費
第2号、公益目的費用額に算入した商品等の原価の額
第3号、公益目的費用額に算入した公益充実資金のプラス調整額

マイナス項目

第4号から第6号までを確認してみましょう。

第4号、公益実施費用額からマイナスした引当金の取崩額

第5号、公益目的事業の事業費のうち、公益目的実施費用額に算入しなかった次の金額
・財産を売却したときの損失
・財産の評価損
・財産を運用したときの損失

第6号、公益目的費用額からマイナスした公益充実資金の取崩額
(公益目的保有財産の取得に充てるためのものは除外)

参考規定

使途不特定財産額の保有の上限額
第1号から第3号までは、プラス
第4号から第6号までは、マイナス

一 損益計算書に計上すべき公益目的事業に係る事業費の額
二 前号の額のほか、第二十六条第二項の規定により公益実施費用額に算入することとなった額
三 第三十条第一項の規定により公益実施費用額に算入することとなった額
四 第二十五条の規定により、公益実施費用額から控除することとなった引当金の取崩額
五 第一号の額のうち、第二十六条第一項、第三項又は第四項の規定により公益実施費用額に算入しないこととなった額
六 第三十条第二項の規定により公益実施費用額から控除することとなった額

公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律施行規則第34条第1項1号から6号まで、施行日令和7年4月1日

例外を選択した場合は、合理的な理由の記載が必要

2 前項ただし書の規定の適用を受ける公益法人は、当該事業年度終了後に作成する第四十六条第一項第六号の書類において、前項ただし書に規定する合理的な理由を記載しなければならない。

公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律施行規則第34条第2項、施行日令和7年4月1日

月数計算ルール

3 第一項の月数は、暦に応じて計算し、一月に満たないときはこれを一月とし、一月に満たない端数を生じたときは切り捨てる。

公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律施行規則第34条第3項、施行日令和7年4月1日

最近の新しいこと
・OKONOMI COFFEE、VOICE of COFFEE、バランス

PAGE TOP