修正申告等に伴う更正の請求の特例_法人税


今回は、法人税特有の更正の請求を確認してみましょう。

内容

確定申告した税額などに誤りがある場合、再計算が可能です。

税額などを増やす再計算を修正申告、
税額などを減らす再計算を更正の請求といいます。

法人税特有の更正の請求については、
修正申告書を提出した日等の翌日から2月以内が期限となります。

更正の請求の要件は、次の2つです。
1、修正申告書の提出、更正、決定が発生している。
2、1の事業年度後の決定があった事業年度に更正の請求事由が発生している。

次の場合で考えてみましょう。
・X+1年3月期、確定申告している。
・X+2年3月期、確定申告していない。
・X+3年3月期、X+2年3月期について決定を受けた。
X+1年3月期の修正申告を行った。

修正申告の内容
X+1年3月期の売上げ1,000をX+2年3月期に計上していたため、
X+1年3月期の売上げとして修正申告を行った。

上記の場合、X+2年3月期の売上げが1000減少するため、
更正の請求事由が発生している場合は、2月以内に更正の請求が可能です。

関係図

更正の請求事由

更正の請求事由は、次の2つです。

確定申告書の記載事項の
・納付する法人税が過大となる場合
・還付を受ける法人税が過少となる場合

参考規定

法人税法の更正の請求の特例

第八十二条 内国法人が、確定申告書に記載すべき第七十四条第一項第一号から第五号まで(確定申告)に掲げる金額又は地方法人税法第二条第十五号(定義)に規定する地方法人税確定申告書に記載すべき同法第十九条第一項第一号から第五号まで(確定申告)に掲げる金額につき、修正申告書を提出し、又は更正若しくは決定を受け、その修正申告書の提出又は更正若しくは決定に伴い次の各号に掲げる場合に該当することとなるときは、当該内国法人は、その修正申告書を提出した日又はその更正若しくは決定の通知を受けた日の翌日から二月以内に限り、税務署長に対し、当該各号に規定する金額につき国税通則法第二十三条第一項(更正の請求)の規定による更正の請求をすることができる。この場合においては、更正請求書には、同条第三項に規定する事項のほか、その修正申告書を提出した日又はその更正若しくは決定の通知を受けた日を記載しなければならない。
一 その修正申告書又は更正若しくは決定に係る事業年度後の各事業年度で決定を受けた事業年度に係る第七十四条第一項第二号又は第四号に掲げる金額(当該金額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の金額)が過大となる場合
二 その修正申告書又は更正若しくは決定に係る事業年度後の各事業年度で決定を受けた事業年度に係る第七十四条第一項第五号に掲げる金額(当該金額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の金額)が過少となる場合

法人税法

74条1項2号(法人税額)又は4号(中間納付額を控除した金額)が過大
74条1項5号(中間納付額で控除しきれなかったもの)が過少

(確定申告)
第七十四条 内国法人は、各事業年度終了の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、確定した決算に基づき次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
一 当該事業年度の課税標準である所得の金額又は欠損金額
二 前号に掲げる所得の金額につき前節(税額の計算)の規定を適用して計算した法人税の額
三 第六十八条及び第六十九条(所得税額等の控除)の規定による控除をされるべき金額で前号に掲げる法人税の額の計算上控除しきれなかつたものがある場合には、その控除しきれなかつた金額
四 その内国法人が当該事業年度につき中間申告書を提出した法人である場合には、第二号に掲げる法人税の額から当該申告書に係る中間納付額を控除した金額
五 前号に規定する中間納付額で同号に掲げる金額の計算上控除しきれなかつたものがある場合には、その控除しきれなかつた金額
六 前各号に掲げる金額の計算の基礎その他財務省令で定める事項

法人税法

2023/12/14、情報更新

訂正前

例えば、X年分の売上1,000をX+1年に計上した場合、
X年分の修正申告が可能です。

この修正申告を行った場合、
修正申告書を提出した日の翌日から2月以内に
X+1年分の更正の請求が可能です。

具体的な条件は次の2パターンです。
1、次の金額が過大となる場合
 A、法人税
 B、法人税から源泉徴収税額をマイナスした金額
 C、法人税から中間納付額をマイナスした金額

所得税と異なり、控除しきれなかった
源泉所得税額は対象にならないのですね。
記載金額の限度要件があるからでしょうか。

2、次の金額が過少となる場合
 控除しきれなかった中間納付額

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