今回は、事業税と動画コンテンツ収入の一部を受け取った場合を確認してみましょう。
法人税の取扱い
株式会社や有限会社については、事業の内容に関係なく、法人の利益に対して法人税がかかります。
そのため、株式会社などが動画コンテンツを作成し、YouTube等にアップロードして、
・広告収入
・コメント収入
・スタンプ収入
の一部を受け取った場合、広告収入等に法人税がかかります。
株式会社や有限会社等の営利法人ではなく、公益法人などの非営利法人については、どうなるのでしょうか?
非営利法人は、営利法人と異なり収益事業から生じた所得にのみ法人税がかかります。収益事業でない事業(非収益事業)から生じた所得については、法人税がかかりません。
上記の広告収入等は、収益事業から生じた所得でしょうか?
非収益事業から生じた所得でしょうか?
答えは、
・原則、収益事業から生じた所得
・例外、非収益事業から生じた所得
となります。
参考リンク
・公益法人等と動画コンテンツ収入
所得税の取扱い
個人については、個人の所得に対して所得税がかかります。
そのため、個人が動画コンテンツを作成し、YouTube等にアップロードして、
・広告収入
・コメント収入
・スタンプ収入
の一部を受け取った場合、広告収入等に所得税がかかります。
個人の所得は性質に応じて区分する必要があり、広告収入等については、
・事業所得
・雑所得
のいずれかに区分されることになるでしょう。
気になっていた部分は、個人事業税の取扱いです。
個人事業税の取扱い
個人事業税については、所得税と異なり
・第一種事業
・第二種事業
・第三種事業
の所得に対してかかります。
法人税の収益事業のように、課税の対象となる事業が法令で列挙されています。
(最後に法令を載せています。)
YouTubeの広告収入等は、個人事業税の計算上、
・広告業
に該当し、個人事業税の対象となる判断がされています。
法人税では無体財産権の提供業と判断され、個人事業税では広告業と判断されています。無体財産権の提供業と判断した場合、個人事業税の法定事業に列挙されていないため、個人事業税がかからないと判断できそうです。
(広告業ではなく物品賃貸業と判断されるかもしれません。)
反対に広告業と判断した場合、法人税の法定事業に列挙されていないため、法人税がかからないと判断できる余地があります。
参考規定
個人事業税の第一種事業
8 第三項の「第一種事業」とは、次に掲げるものをいう。
地方税法第72条の2第8項、施行日令和6年11月8日
一 物品販売業(動植物その他通常物品といわないものの販売業を含む。)
一の二 保険業
二 金銭貸付業
三 物品貸付業(動植物その他通常物品といわないものの貸付業を含む。)
四 不動産貸付業
五 製造業(物品の加工修理業を含む。)
六 電気供給業
七 土石採取業
八 電気通信事業(放送事業を含む。)
九 運送業
十 運送取扱業
十一 船舶定係場業
十二 倉庫業(物品の寄託を受け、これを保管する業を含む。)
十三 駐車場業
十四 請負業
十五 印刷業
十六 出版業
十七 写真業
十八 席貸業
十九 旅館業
二十 料理店業
二十一 飲食店業
二十二 周旋業
二十三 代理業
二十四 仲立業
二十五 問屋業
二十六 両替業
二十七 公衆浴場業(第十項第二十号に掲げるものを除く。)
二十八 演劇興行業
二十九 遊技場業
三十 遊覧所業
三十一 前各号に掲げる事業に類する事業で政令で定めるもの
政令で定めるもの
(法第七十二条の二第八項第三十一号の事業)
地方税法施行令第10条の3、施行日令和6年10月1日
第十条の三 法第七十二条の二第八項第三十一号に規定する事業で政令で定めるものは、次に掲げるものとする。
一 商品取引業
二 不動産売買業
三 広告業
四 興信所業
五 案内業
六 冠婚葬祭業
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