借手がリース資産を購入した場合の償却方法


今回は、借手がリース資産を購入した場合の償却方法を確認してみましょう。

定額法?定率法?

税金計算上のリース取引(ファイナンスリース取引)の契約が終了した時に、借り手がリース資産を買い取る場合があります。

買い取ったリース資産が10万円以上の場合、原則として減価償却資産として取り扱う必要があります。

減価償却資産については経費となる金額を計算するために、償却方法を確認する必要があります。

主な償却方法は、次の2つです。
1、定額法、償却する金額が同じ方法
2、定率法、償却する割合が同じ方法

リース資産を買い取った場合の償却方法については、基本通達が公表されていますので確認してみましょう。

所有権移転リース取引の場合

リース資産を買い取った場合の償却方法については、
・所有権が移転するリース取引
・所有権が移転しないリース取引
によって、取扱いが変わります。

所有権が借り手に移転するリース取引の取扱いを確認してみましょう。

⑴ 当該資産に係るリース取引が所有権移転リース取引(所有権移転外リース取引に該当しないリース取引をいう。)であった場合
 引き続き当該資産について採用している償却の方法により計算する。

例えば、リース資産が機械装置の場合、自社が所有している機械装置について採用している償却方法を選択する必要があります。

採用している償却方法が、定額法の場合は、買い取ったリース資産についても定額法となります。定率法の場合は、買い取ったリース資産についても定率法となります。

所有権移転外リース取引の場合、定率法を採用

所有権が移転しないリース取引の取扱いを確認してみましょう。所有権が移転するリース取引と異なり少し複雑ですので分けて確認します。

⑵ 当該資産に係るリース取引が所有権移転外リース取引であった場合
 法人が当該資産と同じ資産の区分である他の減価償却資産(リース資産に該当するものを除く。以下同じ。)について採用している償却の方法に応じ、それぞれ次により計算する。
イ その採用している償却の方法が定率法である場合
 当該資産と同じ資産の区分である他の減価償却資産に適用される耐用年数に応ずる償却率、改定償却率及び保証率により計算する。

例えば、リース資産が車両の場合、自社が所有している車両について採用している償却方法を選択する必要があります。

採用している償却方法が定率法の場合は、買い取ったリース資産(車両)も定率法となります。

所有権移転外リース取引の場合、定額法を採用

採用している償却方法が定額法の場合は、特殊な計算となりますので確認してみましょう。

ロ その採用している償却の方法が定額法である場合
 その購入の直前における当該資産の帳簿価額にその購入代価の額を加算した金額を取得価額とみなし、当該資産と同じ資産の区分である他の減価償却資産に適用される耐用年数から当該資産に係るリース期間を控除した年数(その年数に1年未満の端数がある場合には、その端数を切り捨て、その年数が2年に満たない場合には、2年とする。)に応ずる償却率により計算する。

算式で示します。
取得価額=購入直前のリース資産の帳簿価額+購入代価(付随費用)

購入代価(付随費用)がない場合は、帳簿価額=取得価額となります。

続きは耐用年数の計算について規定されています。

当該資産と同じ資産の区分である他の減価償却資産に適用される耐用年数から当該資産に係るリース期間を控除した年数

算式で示します。

リース資産(車両)と同じ資産の区分である他の減価償却資産(車両)の耐用年数-リース期間=買い取った資産の耐用年数

例えば、新品の耐用年数が10年、リース期間が4年の場合、買い取った資産の耐用年数は、10年-4年=6年となります。

計算した年数の端数は切り捨てします。2年未満の場合は2年となります。

注意書きも確認してみましょう。

(注) 事業年度の中途にリース期間が終了する場合の当該事業年度の償却限度額は、リース期間終了の日以前の期間につきリース期間定額法により計算
した金額とリース期間終了の日後の期間につき⑵により計算した金額の合計額による。

事業年度の途中でリース期間が終了した場合は、
A、事業年度の開始日-リース期間終了日、リース期間定額法
B、リース期間終了日の次の日-事業年度の終了日、(2)の方法
で計算する必要があります。

同じ資産であっても、
・Aの期間は、リース資産
・Bの期間は、リース資産以外の資産(機械装置や車両など)
になるからです。


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編集後記
最近食べた麻婆豆腐が予想以上に辛く、汗が止まらず焦る。

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