今回は、公益充実資金がある場合の公益実施費用額の計算を確認してみましょう。
公益目的事業比率
公益法人は、5年間の収支バランスだけではなく、公益目的事業の費用割合(公益目的事業比率)を50%以上にする必要があります。
数字を使って確認してみましょう。
1、公益目的事業の事業費 800
2、収益事業等の事業費 500
3、管理費 200
1÷(1+2+3)に数字をあてはめると
800÷(800+500+200=1500)=約53%≧50%となります。
公益充実資金
新しい制度では、「公益充実資金」が設けられています。5つの要件(施行規則)を全て満たした場合、公益目的事業を充実させるため将来において必要となる資金として、積み立てることが可能となります。
公益充実資金は、資金の積み立てで費用ではありませんが公益目的事業の適正な費用として取り扱うことができます。今回は、具体的な計算方法を確認してみましょう。
1、公益実施費用にプラスする金額
各事業年度の公益充実資金の積立額×その事業年度の末日におけるその公益充実活動等(将来の特定の活動の実施に限る。)の所要額の合計額÷末日における積立限度額
公益充実活動等は2つありますが、カッコ書きで「将来の特定の活動の実施に限る。」とありますので、公益目的保有財産の取得などについては、計算に含まれません。
2、公益実施費用額からマイナスする金額
公益充実資金を取り崩した金額。ただし、公益目的保有財産の取得などに充てるためのものは除外します。
参考規定
公益目的事業比率は、50%以上必要
第十五条 公益法人は、毎事業年度における公益目的事業比率(第一号に掲げる額の同号から第三号までに掲げる額の合計額に対する割合をいう。)が百分の五十以上となるように公益目的事業を行わなければならない。
公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第15条、施行日令和7年4月1日
一 公益目的事業の実施に係る費用の額として内閣府令で定めるところにより算定される額
二 収益事業等の実施に係る費用の額として内閣府令で定めるところにより算定される額
三 当該公益法人の運営に必要な経常的経費の額として内閣府令で定めるところにより算定される額
公益充実資金に係る調整
第三十条 各事業年度の公益充実資金の積立額に当該事業年度の末日における当該公益充実活動等(将来の特定の活動の実施に限る。)の所要額の合計額を乗じて同日における積立限度額で除して得た額を当該事業年度の公益実施費用額に算入する。
公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律施行規則第30条、施行日令和7年4月1日
2 当該事業年度の公益充実資金の取崩額(公益目的保有財産の取得又は改良に充てるために取り崩した額を除く。)を当該事業年度の公益実施費用額から控除する。
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