今回は、分割があった場合の賃上げ促進税制の比較教育訓練費を確認してみましょう。
分割があった場合
賃上げ促進税制については、
教育訓練費が前期と比較して増加した場合に、
割り増しで税金の控除が可能です。
前期と当期の教育訓練費の集計が必要となりますが、
前期や当期に分割があった場合、どうなるでしょうか?
分割があった場合は、教育訓練費の加減算が必要となります。
・分割法人(事業を渡した方)が教育訓練費のマイナス調整、
・分割承継法人(事業を引き継いだ方)が教育訓練費のプラス調整
となります。
事業を引き継いだ場合、教育訓練費が2社間で増減するからです。
長い規定になりますので、今回は概要だけ確認してみましょう。
調整計算の対象となる法人
・分割法人
・現物出資法人
・現物分配法人
この3つを合わせて、「分割法人等」といいます。
分割法人だけではなく、現物出資法人や現物分配法人も含まれます。
お金以外の資産(例えば、不動産)を剰余金として配当する法人を
「現物分配法人」といいます。
・分割承継法人
・被現物出資法人
・被現物分配法人
この3つを合わせて、「分割承継法人等」といいます。
お金以外の資産(例えば、不動産)を剰余金の配当として受け取る法人を
「被現物分配法人」といいます。
関係としては、
前者が資産等を渡す法人、後者が資産等を受け取る法人
・分割法人 → 分割承継法人
・現物出資法人 → 被現物出資法人
・現物分配法人 → 被現物分配法人
となります。
6つの法人が調整計算の対象となりますが、
・分割法人等
・分割承継法人等
は、それぞれ一定要件を満たす場合に限定されています。
分割法人等の一定要件が第1号のイやロ、
分割承継法人等の一定要件が第2項のイやロに規定されています。
(今回は参考規定を省略しています。)
参考規定
14 法第四十二条の十二の五第一項から第三項までの規定の適用を受けようとする法人が分割法人等(分割法人、現物出資法人又は現物分配法人をいう。以下この条において同じ。)又は分割承継法人等(分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人をいう。以下この条において同じ。)に該当する場合(分割法人等にあつては第一号イ又はロに掲げる法人に該当する場合に、分割承継法人等にあつては第二号イ又はロに掲げる法人に該当する場合に、それぞれ限る。)の適用年度の当該法人の比較教育訓練費の額の計算における法第四十二条の十二の五第五項第八号の教育訓練費の額については、当該法人の次の各号に規定する調整対象年度に係る教育訓練費の額(法人の事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される同条第一項第二号イに規定する教育訓練費の額をいう。第十九項及び第二十項を除き、以下この条において同じ。)は、当該各号に掲げる法人の区分に応じ当該各号に定めるところによる。
以下省略
租税特別措置法施行令第27条の12の5第14項柱書き、施行日令和6年6月1日