別表第3法人の消費税に関する計上時期の特例


今回は、別表第3法人の消費税に関する計上時期の特例を確認してみましょう。

別表第3法人の特例

国や地方公共団体の会計は、収入や支出の認識基準が
株式会社などと異なります。

認識基準が異なると消費税の計算が煩雑になるため
・法令の規定により計上すべき会計年度の末日
に資産の販売、資産の貸付け、サービスの提供を
行ったものとすることが可能です。

この特例は、原則として国や地方公共団体に限定されていますが、
消費税法の別表第3法人のうち、
国や地方公共団体に準ずるものについても認められています。

国や地方公共団体に準ずる法人

国や地方公共団体に準ずる法人とは、
次の2つの要件を満たすものをいいます。
・法令や定款等に定める会計処理が国等の会計処理に準じている。
・税務署長の承認を受けたもの。

別表第3法人の一般財団法人、一般社団法人、公益財団法人、公益社団法人等については、国等の会計処理に準じないため、特例の対象外となります。

課税期間の末日に認識

国や地方公共団体の計上時期の特例は、
・会計年度の末日
に取引を認識しますが、

準ずる法人の計上時期の特例は、
・課税期間の末日
に取引を認識します。

そのため、準ずる法人が課税期間を短縮した場合は、
その短縮した課税期間ごとに消費税の計算が必要となります。

参考規定

国や地方公共団体に準ずる法人の計上時期の特例

3 別表第三に掲げる法人のうち国又は地方公共団体に準ずる法人として政令で定めるものの資産の譲渡等、課税仕入れ及び課税貨物の保税地域からの引取りを行つた時期については、前項の規定に準じて、政令で定める。

消費税法第60条第3項、施行日令和6年4月9日

準ずる法人の要件

(国又は地方公共団体に準ずる法人の資産の譲渡等の時期の特例)
第七十四条 法第六十条第三項に規定する国又は地方公共団体に準ずる法人として政令で定めるものは、法別表第三に掲げる法人のうち法令又はその法人の定款、寄附行為、規則若しくは規約(以下この条において「定款等」という。)に定める会計の処理の方法が国又は地方公共団体の会計の処理の方法に準ずるもので同項の規定の適用を受けることにつきその納税地を所轄する税務署長の承認を受けたものとする。

消費税法施行令第74条第1項、施行日令和6年4月1日

準ずる法人については、課税期間の末日に消費税を認識する。

2 前項の承認を受けた法人が行つた資産の譲渡等、課税仕入れ及び課税貨物の保税地域からの引取りについては、当該法人の会計の処理の方法に関する法令又は定款等の定めるところによりその資産の譲渡等の対価を収納すべき課税期間並びにその課税仕入れ及び課税貨物の保税地域からの引取りの費用の支払をすべき課税期間の末日に行われたものとすることができる。

消費税法施行令第74条第2項、施行日令和6年4月1日
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