受託事業者の簡易課税制度と災害があった場合


今回は、受託事業者の簡易課税制度と災害があった場合を確認してみましょう。

災害があった場合は後から変更できる。

法人課税信託の場合、同じ人を
・固有事業者(自分自身)
・受託事業者(任された人)
に分けて消費税を取り扱うことになります。

法人課税信託の場合、簡易課税制度は、
統一して適用する必要があります。

固有事業者が簡易課税の場合、受託事業者も簡易課税、
固有事業者が通常の計算の場合、受託事業者も通常の計算となります。

簡易課税制度は原則として事前選択が必要ですが、
災害があった場合は、後から選択して
・一般の計算から簡易課税制度へ
・簡易課税制度から一般の計算へ
切り替えることができます。

固有事業者が後から計算方法を切り替えた場合、
受託事業者はどうなるのでしょうか?

受託事業者の取扱い

先に規定を確認してみましょう。

9 前項の固有事業者が、同項に規定する初日の属する当該固有事業者の課税期間(以下この項において「固有課税期間」という。)につき第三十七条の二第一項又は第六項の規定の適用を受けた場合における前項の規定の適用については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定めるところによる。
一 当該固有課税期間が第三十七条の二第一項に規定する選択被災課税期間である場合において当該選択被災課税期間につき同項の承認を受けたとき 前項に規定する初日において当該固有事業者が第三十七条第一項の規定の適用を受ける事業者であつたものとみなす。
二 当該固有課税期間が第三十七条の二第六項に規定する不適用被災課税期間である場合において当該不適用被災課税期間につき同項の承認を受けたとき 前項に規定する初日において当該固有事業者が第三十七条第一項の規定の適用を受ける事業者でなかつたものとみなす。

消費税法第15条第9項、施行日令和6年4月9日

1号は、一般の計算から簡易課税制度に切り替える場合、
2号は、簡易課税制度から一般の計算に切り替える場合、
が規定されています。

結論は2つです。

固有事業者が一般の計算から簡易課税制度に切り替えた場合は、
受託事業者も簡易課税制度に切り替わります。

固有事業者が簡易課税制度から一般の計算に切り替えた場合は、
受託事業者も一般の計算に切り替わります。

災害により後から計算方法を切り替えた場合であっても、
簡易課税制度は統一適用となります。

参考規定

簡易課税制度の統一適用

8 受託事業者のその課税期間の初日において、当該受託事業者に係る法人課税信託の固有事業者が、当該初日の属する当該固有事業者の課税期間につき第三十七条第一項の規定の適用を受ける事業者である場合に限り、当該受託事業者の当該初日の属する課税期間については、同項の規定を適用する。以下省略

消費税法第15条第8項、施行日令和6年4月9日

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