受託法人の最初の会計期間が1年超となる場合等の事業年度


今回は、受託法人の最初の会計期間が1年超となる場合等の事業年度を確認してみましょう。

最初の会計期間のみが1年を超える場合の事業年度

法人課税信託の受託法人の会計期間のうち、最初の会計期間のみが1年超で2年未満の場合が要件となります。

要件を満たす場合、法人税の事業年度は1年ごとに区分されません。

・最初の会計期間開始の日から
・会計期間の末日の1年前の日まで
の期間と
・会計期間の末日の1年前の日の翌日から
・会計期間の末日まで
の期間をそれぞれ受託法人の事業年度として取り扱います。

例えば、X年4月1日からX+1年9月30日までの会計期間の場合、
・X年4月1日からX年9月30日までの期間(半年)
・X年10月1日からX+1年9月30日までの期間(1年間)
が受託法人の事業年度となります。

法人税の事業年度については、最初の期間が1年となりません。

参考規定

10 法人課税信託に係る受託法人の会計期間のうち最初の会計期間のみが一年を超え、かつ、二年に満たない場合には、法第十三条第一項ただし書の規定にかかわらず、その最初の会計期間開始の日から当該会計期間の末日の一年前の日までの期間及び同日の翌日から当該会計期間の末日までの期間をそれぞれ当該受託法人の事業年度とみなす。

法人税法施行令第14条の6第10項、施行日令和6年4月1日

法人課税投資信託が法人課税信託に該当しない場合の事業年度

法人課税信託のうち、
・投資信託及び投資法人に関する法律第二条第三項に規定する投資信託
を「法人課税投資信託」といいます。

法人課税投資信託が法人課税信託に該当しない場合、
法人課税信託に該当しなくなった日に法人税の事業年度が終了します。

参考規定

11 法人課税信託(法第二条第二十九号の二ニに掲げる信託に限る。以下この項において「法人課税投資信託」という。)が法人課税信託に該当しないこととなつた場合には、法第十三条第一項の規定にかかわらず、その会計期間開始の日からその該当しないこととなつた日までの期間をその法人課税投資信託に係る受託法人の事業年度とみなす。

法人税法施行令第14条の6第11項、施行日令和6年4月1日

消費税の事業年度の取扱い

・最初の会計期間のみが1年を超える場合の法人税の事業年度
・法人課税投資信託が法人課税信託に該当しない場合の法人税の事業年度
上記2つの規定により法人税の事業年度が変更される場合は、消費税の事業年度も変更となります。

参考規定

12 法人課税信託の受託事業者がその会計期間につき法人税法施行令第十四条の六第十項又は第十一項の規定の適用を受ける場合には、これらの規定により事業年度とみなされた期間は、当該受託事業者の事業年度とみなして法及びこの政令の規定を適用する。

消費税法施行令第28条第12項、施行日令和6年4月1日


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