国・地方公共団体の消費税に関する計上時期の特例


今回は、国・地方公共団体の消費税に関する
計上時期の特例を確認してみましょう。

国・地方公共団体の特例

国や地方公共団体の会計は、収入や支出の認識基準が
株式会社などと異なります。

消費税は原則として発生基準で計算します。
会計と消費税の認識時点が異なると、計算が煩雑になるため、
会計の収入や支出の認識に合わせて
消費税が計算できる特例が設けられています。

規定を確認してみましょう。

2 国又は地方公共団体が行つた資産の譲渡等、課税仕入れ及び課税貨物の保税地域からの引取りは、政令で定めるところにより、その資産の譲渡等の対価を収納すべき会計年度並びにその課税仕入れ及び課税貨物の保税地域からの引取りの費用の支払をすべき会計年度の末日に行われたものとすることができる。

消費税法第60条、施行日令和6年4月9日
会計年度の末日に行ったものとする。

・資産の販売、資産の貸付け、サービスの提供
・資産の購入、資産の借り受け、サービスの提供を受けること
・課税貨物の引取り
については、法令の規定により計上すべき会計年度の末日に
行ったものとすることが可能です。

会計年度所属区分の規定を見ると、
・納期の一定している収入はその納期末日の属する年度
とあります。

納期の末日に未収であっても、歳入として計上するため、
現金基準とは少し異なります。

参考法令

(国又は地方公共団体が行つた資産の譲渡等の時期の特例)
第七十三条 国又は地方公共団体が行つた資産の譲渡等、課税仕入れ及び課税貨物の保税地域からの引取りについては、資産の譲渡等は予算決算及び会計令(昭和二十二年勅令第百六十五号)第一条の二(歳入の会計年度所属区分)又は地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)第百四十二条(歳入の会計年度所属区分)(これらの規定の特例を定める規定を含む。)の規定によりその対価を収納すべき会計年度の末日において、課税仕入れ及び課税貨物の保税地域からの引取りは予算決算及び会計令第二条(歳出の会計年度所属区分)又は地方自治法施行令第百四十三条(歳出の会計年度所属区分)(これらの規定の特例を定める規定を含む。)の規定によりその費用の支払をすべき会計年度の末日においてそれぞれ行われたものとすることができる。

消費税法施行令第73条、施行日令和6年4月1日
参考法令

国の歳入会計年度所属区分

(歳入の会計年度所属区分)
第一条の二 歳入の会計年度所属は、次の区分による。
一 納期の一定している収入はその納期末日(民法(明治二十九年法律第八十九号)第百四十二条、国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第十条第二項又は行政機関の休日に関する法律(昭和六十三年法律第九十一号)第二条の規定の適用又は準用がないものとした場合の納期末日をいう。)の属する年度
二 随時の収入で納入告知書を発するものは納入告知書を発した日の属する年度
三 随時の収入で納入告知書を発しないものは領収した日の属する年度
② 前項第一号の収入で納入告知書を発すべきものについて、納期所属の会計年度において納入告知書を発しなかつたときは、当該収入は納入告知書を発した日の属する会計年度の歳入に組み入れるものとする。
③ 法令の規定により他の会計又は資金から繰り入れるべき収入及び印紙をもつてする歳入金納付に関する法律(昭和二十三年法律第百四十二号)第三条第五項の規定により納付される収入は、前二項の規定にかかわらず、その収入を計上した予算の属する会計年度の歳入に繰り入れるものとする。

予算決算及び会計令第1条の2、施行日令和6年4月1日

国の歳出会計年度所属区分

(歳出の会計年度所属区分)
第二条 歳出の会計年度所属は、次の区分による。
一 国債の元利、年金、恩給の類は支払期日の属する年度
二 諸払戻金、欠損補塡金、償還金の類はその決定をした日の属する年度
三 給与(予備自衛官及び即応予備自衛官に対する給与を除く。)、旅費、手数料の類はその支給すべき事実の生じた時の属する年度
四 使用料、保管料、電灯電力料の類はその支払の原因たる事実の存した期間の属する年度
五 工事製造費、物件の購入代価、運賃の類及び補助費の類で相手方の行為の完了があつた後交付するものはその支払をなすべき日の属する年度
六 前各号に該当しない費用で繰替払をしたものはその繰替払をした日の属する年度、その他のものは小切手を振り出し又は国庫金振替書若しくは支払指図書を発した日の属する年度
② 法令の規定により他の会計又は資金に繰り入れるべき経費は、前項の規定にかかわらず、その支出を計上した予算の属する会計年度の歳出として支出するものとする。

予算決算及び会計令第2条、施行日令和6年4月1日

地方公共団体の歳入の会計年度所属区分

(歳入の会計年度所属区分)
第百四十二条 歳入の会計年度所属は、次の区分による。
一 納期の一定している収入は、その納期の末日(民法(明治二十九年法律第八十九号)第百四十二条、地方自治法第四条の二第四項、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第二十条の五又は当該期日が土曜日に当たる場合にその翌日をもつて納期の末日とする旨の法令、条例若しくは規則の規定の適用がないものとしたときの納期の末日をいう。次項において同じ。)の属する年度。ただし、地方税法第三百二十一条の三の規定により特別徴収の方法によつて徴収する市町村民税及び同法第四十一条第一項の規定によりこれとあわせて徴収する道府県民税(同法第三百二十一条の五の二の規定により納入するものを除く。)は、特別徴収義務者が同法第三百二十一条の五第一項又は第二項ただし書の規定による徴収をすべき月の属する年度
二 随時の収入で、納入通知書又は納税の告知に関する文書(以下本条において「通知書等」という。)を発するものは、当該通知書等を発した日の属する年度
三 随時の収入で、通知書等を発しないものは、これを領収した日の属する年度。ただし、地方交付税、地方譲与税、交付金、負担金、補助金、地方債その他これらに類する収入及び他の会計から繰り入れるべき収入は、その収入を計上した予算の属する年度
2 前項第一号の収入について、納期の末日の属する会計年度の末日(民法第百四十二条、地方自治法第四条の二第四項、地方税法第二十条の五又は納期の末日が土曜日に当たる場合にその翌日をもつて納期の末日とする旨の法令、条例若しくは規則の規定の適用があるときは、当該延長された日)までに申告がなかつたとき、又は通知書等を発しなかつたときは、当該収入は、申告があつた日又は通知書等を発した日の属する会計年度の歳入に組み入れるものとする。
3 普通地方公共団体の歳入に係る督促手数料、延滞金及び滞納処分費は、第一項の規定にかかわらず、当該歳入の属する会計年度の歳入に組み入れるものとする。

地方自治法施行令第142条、施行日令和6年4月1日

地方公共団体の歳出の会計年度所属区分

(歳出の会計年度所属区分)
第百四十三条 歳出の会計年度所属は、次の区分による。
一 地方債の元利償還金、年金、恩給の類は、その支払期日の属する年度
二 給与その他の給付(前号に掲げるものを除く。)は、これを支給すべき事実の生じた時の属する年度
三 地方公務員共済組合負担金及び社会保険料(労働保険料を除く。)並びに賃借料、光熱水費、電信電話料の類は、その支出の原因である事実の存した期間の属する年度。ただし、賃借料、光熱水費、電信電話料の類で、その支出の原因である事実の存した期間が二年度にわたるものについては、支払期限の属する年度
四 工事請負費、物件購入費、運賃の類及び補助費の類で相手方の行為の完了があつた後支出するものは、当該行為の履行があつた日の属する年度
五 前各号に掲げる経費以外の経費は、その支出負担行為をした日の属する年度
2 旅行の期間(外国旅行にあつては、その準備期間を含む。)が二年度にわたる場合における旅費は、当該二年度のうち前の年度の歳出予算から概算で支出することができるものとし、当該旅費の精算によつて生ずる返納金又は追給金は、その精算を行なつた日の属する年度の歳入又は歳出とするものとする。

地方自治法施行令第143条、施行日令和6年4月1日

新しいこと
・紅茶メロンパン

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