国等の申告期限の延長と簡易課税制度の特例との関係_4月以内申告の場合


今回は、国等の申告期限の延長と簡易課税制度の特例との関係のうち、4月以内申告の場合を確認してみましょう。

2つの特例を調整するための読替え

国や地方公共団体については、
確定申告期限や中間申告期限が延長できます。

確定申告期限を延長すると、
簡易課税制度の特例に影響が生じるため、
読替規定が設けられています。

確定申告期限の延長は、法人の種類ごとに、
3月以内、4月以内、5月以内、6月以内と区別されており、
延長期間ごとに読替規定が用意されています。

今回は、4月以内の読替規定を確認してみましょう。

参考規定はこちら↓

3 前項の規定の適用を受ける事業者に係る法第三十七条の二及び第四十二条の規定の適用については、次に定めるところによる。
二 法第四十五条第一項の規定による申告書の提出期限が当該課税期間の末日の翌日から四月を経過する日である事業者の法第三十七条の二及び第四十二条の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句にそ/れぞれ読み替えるものとする。

法第三十七条の二第二項翌日翌日から二月を経過した日
法第三十七条の二第五項二月四月
 以後から二月を経過した日以後
消費税法施行令第76条第3項、施行日令和6年4月1日

読替後の部分を太文字にしています。

簡易課税制度の特例

読替規定の対象は、
・簡易課税制度の特例(消費税法第37条の2第2項)
・自動承認(消費税法第37条の2第5項)
の2つです。

簡易課税制度の特例とは、災害等が発生した場合に
簡易課税制度を後から選択できるものです。

後から選択する場合は、申請書の提出が必要で、
・災害等のやんだ日から2月以内
・確定申告期限
の2つを比べて早い方が申請期限となります。

原則は2月以内で、
2月以内に確定申告期限が到来する場合は、
確定申告期限となります。

確定申告期限を延長した場合、
2月以内が先に到来することがあります。

確定申告期限を延長した場合と延長しなかった場合で、
差が生じるため、確定申告期限を延長するのに併せて、
2月以内のカウントを遅らせる仕組みとなっています。

4月以内の場合は2月遅らせます。
(3月以内の場合は1月遅らせます。)

自動承認

簡易課税制度の特例については、
自動的に承認される制度(自動承認)があります。

通常の確定申告期限は、
・課税期間の末日の翌日から2月以内
となっており、2月以内を前提として自動承認が規定されています。

確定申告期限が3月以内に延長された場合は、
自動承認の日が1月延長となります。

確定申告期限が4月以内に延長された場合は、
自動承認の日が2月延長となります。

参考規定

読替後の規定

簡易課税制度を後から選択する場合の手続き
(消費税法第37条の2第2項、施行日令和6年4月9日)

2 前項の承認を受けようとする事業者は、前条第一項の規定の適用を受けることが必要となつた事情その他財務省令で定める事項を記載した申請書を、前項に規定する災害その他やむを得ない理由のやんだ日から二月以内(当該災害その他やむを得ない理由のやんだ日がその申請に係る選択被災課税期間の末日の翌日から二月を経過した日以後に到来する場合には、当該選択被災課税期間に係る第四十五条第一項の規定による申告書の提出期限まで)に、その納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない。

自動承認
(消費税法第37条の2第5項、施行日令和6年4月9日)

5 第二項の申請書の提出があつた場合において、その申請に係る選択被災課税期間の末日の翌日から四月を経過する日までに承認又は却下の処分がなかつたときは、その日においてその承認があつたものとみなす。ただし、同項に規定する災害その他やむを得ない理由のやんだ日がその申請に係る選択被災課税期間の末日の翌日から二月を経過した日以後に到来する場合は、この限りでない。

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