国等の申告期限の特例と帳簿等の保存期間との関係


今回は、国等の申告期限の特例と帳簿等の保存期間との関係を確認してみましょう。

影響がある規定は6つ

国や地方公共団体が確定申告の期限を延長した場合、
・簡易課税制度に関する一定の期限
・中間申告の期限
の2つに影響があります。

今回は、この2つ以外の読替規定を確認してみましょう。

確認する規定はこちら↓

4 第二項の規定の適用を受ける事業者に係る第五十条、第五十四条第三項及び第五項、第五十八条の二第二項及び第三項、第五十八条の三第二項及び第三項、第七十条の十三並びに第七十一条第二項及び第五項の規定の適用については、第五十条第一項中「経過した日」とあるのは「経過した日(第七十六条第二項の規定の適用がある場合には、当該課税期間に係る同項各号の規定による申告書(法第四十五条第一項の規定による申告書をいう。)の提出期限の翌日。次項及び第三項において同じ。)」と、「同号」とあるのは「法第三十条第九項第二号」と、第五十四条第三項中「経過した日」とあるのは「経過した日(第七十六条第二項の規定の適用がある場合には、当該課税期間に係る同項各号の規定による申告書(法第四十五条第一項の規定による申告書をいう。)の提出期限の翌日。第五項において同じ。)」と、第五十八条の二第二項、第五十八条の三第二項及び第七十条の十三第一項中「経過した日」とあるのは「経過した日(第七十六条第二項の規定の適用がある場合には、当該課税期間に係る同項各号の規定による申告書(法第四十五条第一項の規定による申告書をいう。)の提出期限の翌日。次項において同じ。)」と、第七十一条第二項中「経過した日」とあるのは「経過した日(第七十六条第二項の規定の適用がある場合には、当該課税期間に係る同項各号の規定による申告書(法第四十五条第一項の規定による申告書をいう。)の提出期限の翌日。第五項において同じ。)」とする。

消費税法施行令第76条第4項、施行日令和6年4月1日
読替後の規定を太文字にしています。

まとめますと

国や地方公共団体が確定申告期限を延長した場合は、
次の6つの規定を読み替える。

・第50条
 課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿等の保存期間等

・第54条第3項及び第5項
 納税義務の免除を受けないこととなつた場合等の棚卸資産の取得価額

・第58条の2第2項及び第3項
 売上げに係る対価の返還等に係る帳簿の記載事項等

・第58条の3第2項及び第3項
 特定課税仕入れに係る対価の返還等に係る帳簿の記載事項等

・第70条の13
 交付した適格請求書の写し等の保存

・第71条第2項及び第5項
 帳簿の備付け等

と規定されています。

読替規定の考え方は同じですので、
今回は、消費税法施行令第50条、
課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿等の保存期間等
の読替えを確認してみましょう。

帳簿等の保存期間等も延長される。

「受け取った消費税」から「支払った消費税」をマイナスするためには、
一定の事項を記載した帳簿を、原則として7年間保存する必要があります。

延長しない場合の保存期間の開始日は、
・課税期間(計算期間)の末日の翌日から2月を経過した日
です。延長する前の確定申告の期限を前提としています。

そのため、確定申告の期限が延長される場合は、
・確定申告書の提出期限の翌日
が保存期間の開始日となります。

参考規定

読替後の規定

(課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿等の保存期間等)
第五十条 法第三十条第一項の規定の適用を受けようとする事業者は、同条第七項に規定する帳簿及び請求書等を整理し、当該帳簿についてはその閉鎖の日の属する課税期間の末日の翌日、当該請求書等についてはその受領した日(同条第九項第二号に掲げる電磁的記録並びに前条第七項及び第十項の電磁的記録にあつては、これらの電磁的記録の提供を受けた日)の属する課税期間の末日の翌日から二月(清算中の法人について残余財産が確定した場合には一月とする。次項及び第三項において同じ。)経過した日(第七十六条第二項の規定の適用がある場合には、当該課税期間に係る同項各号の規定による申告書(法第四十五条第一項の規定による申告書をいう。)の提出期限の翌日。次項及び第三項において同じ。)から七年間、これを納税地又はその取引に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地(次項において「納税地等」という。)に保存法第三十条第九項第二号に掲げる電磁的記録並びに前条第七項及び第十項の電磁的記録にあつては、財務省令で定める方法による保存に限る。以下この項において同じ。)をしなければならない。ただし、財務省令で定める場合に該当する法第三十条第七項に規定する帳簿又は請求書等については、同日から五年間を超えて保存をすることを要しない。

確定申告の期限の延長

2 国若しくは地方公共団体(特別会計を設けて行う事業に限る。以下この項において同じ。)又は前項に規定する法人に係る法第四十五条第一項の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 国については、法第四十五条第一項中「二月以内」とあるのは、「五月以内」とする。
二 地方公共団体(地方公営企業法第三十条第一項(決算)の規定の適用を受ける地方公共団体の経営する企業を除く。)については、法第四十五条第一項中「二月以内」とあるのは、「六月以内」とする。
三 前号に規定する地方公共団体の経営する企業については、法第四十五条第一項中「二月以内」とあるのは、「三月以内」とする。
四 前項に規定する法人については、法第四十五条第一項中「二月以内」とあるのは、「六月以内でその納税地を所轄する税務署長が承認する期間内」とする。

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