外国税額控除を調整した場合の固定措置


今回は、外国税額控除を調整した場合の固定措置を確認してみましょう。

前提

通算法人の場合、外国税額控除については全体計算します。
計算に誤りがあった場合は、全体再計算しないように、
1回目に申告した金額を固定します(固定措置)。

金額を固定しますが、進行事業年度で調整します。
今回確認する規定は、進行事業年度の調整後の取扱いです。

規定の内容

外国税額控除の調整があった場合
(法人税法69条18項と19項)において、

通算法人の対象事業年度の
・税額控除不足額相当額(A2)又は
・税額控除超過額相当額(B2)

・当初申告税額控除不足額相当額(A1)又は
・当初申告税額控除超過額相当額(B1)
と異なるときは、

・当初申告税額控除不足額相当額(A1)又は
・当初申告税額控除超過額相当額(B1)
をその対象事業年度の
・税額控除不足額相当額(A2)又は
・税額控除超過額相当額(B2)
として取扱います。


再計算した金額を
・税額控除不足額相当額
・税額控除超過額相当額
といいます。

1回目に調整した金額を
・当初申告税額控除不足額相当額
・当初申告税額控除超過額相当額
といいます。

2回目に調整した金額と1回目に調整した金額が異なる場合は、
1回目に調整した金額を2回目に調整した金額として取扱います。

固定措置のイメージ

1回目に調整した金額再計算した金額
当初申告税額控除不足額相当額(A1) 100税額控除不足額相当額(A2)
150 → 100に固定します。
当初申告税額控除超過額相当額(B1) 200税額控除超過額相当額(B2)
250 → 200に固定します。
固定措置のイメージ
当初申告税額控除不足額相当額と当初申告税額控除超過額相当額

当初申告税額控除不足額相当額や
当初申告税額控除超過額相当額とは、

それぞれその対象事業年度の確定申告書に添付された書類に
その対象事業年度の
・税額控除不足額相当額
・税額控除超過額相当額
として記載された金額をいいます。

「当初申告~」は、1回目に計算した金額を指しています。

参考規定

20 前二項の規定を適用する場合において、通算法人の対象事業年度の税額控除不足額相当額又は税額控除超過額相当額が当初申告税額控除不足額相当額又は当初申告税額控除超過額相当額(それぞれ当該対象事業年度の第七十四条第一項の規定による申告書に添付された書類に当該対象事業年度の税額控除不足額相当額又は税額控除超過額相当額として記載された金額をいう。以下この項及び第二十二項において同じ。)と異なるときは、当初申告税額控除不足額相当額又は当初申告税額控除超過額相当額を当該対象事業年度の税額控除不足額相当額又は税額控除超過額相当額とみなす。

法人税法69条20項
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