今回は、外航船等に積み込む物品の譲渡等に係る消費税の免除のうち、その他の規定を確認してみましょう。
税関長の承認要件
今回確認する規定は、税関長の承認規定です。
2 税関長は、法第八十五条第一項、第八十七条の五第一項又は第八十八条の三第一項の承認の申請があつた場合において、当該申請に係る酒類、製造たばこ又は特定物品の数量が、当該酒類、製造たばこ又は特定物品を積み込もうとする外航船等の航海又は航行の日数並びに旅客及び乗組員の数その他の事情を勘案して相当と認められる数量の範囲内であり、かつ、消費税、酒税又はたばこ税の取締り上支障がないと認めたときは、その承認をするものとする。
租税特別措置法施行令第45条の2第2項、令和8年1月1日施行
要件を満たした場合、
税関長は、免税申請の承認をする必要があります。
要件1
租税特別措置法
・第85条第1項、消費税の免除
・第87条の5第1項、酒税の免除
・第88条の3第1項、たばこ税の免除
の承認申請があった場合です。
要件2
上記申請の
・酒類
・製造たばこ
・特定物品
(免税対象の物品)の数量が、
積み込もうとする外航船等の航海や航行の日数、旅客や乗組員の数その他の事情を勘案して相当と認められる数量の範囲内であり、かつ、
・消費税
・酒税
・たばこ税
の取締り上支障がないと認めたときです。
ポイントは、2つです。
1、数量が適切かどうか
2、税金の取締り上支障がないかどうか
「取締り上支障がない」という規定は、ほとんど見ないような。関税法などで規定されているようです。実際に調べてみると、関税法では5つ規定されています。
原則として禁止や制限されていることが前提にあり、取締り上支障がない場合に、例外として承認や制限を緩和するようです。
(GoogleのAI概要)
そのため、今回確認した規定には、
「承認」はありますが、「却下」が規定されていないのでしょう。
積込み期間の指定と延長
税関長は、積込み期間の指定と延長ができます。
3 税関長は、前項の承認をする場合には、相当と認められる積込みの期間を指定しなければならない。この場合において、その指定後災害その他やむを得ない理由により必要があると認めるときは、当該税関長は、その指定した期間を延長することができる。
租税特別措置法施行令第45条の2第3項、令和8年1月1日施行
税関長は、前項(第2項、積込みの承認)の承認をする場合には、
相当と認められる積込みの期間の「指定」が必要です。
有効期限が設定されます。
例外として、期間を指定した後に
・災害
・やむを得ない理由
により必要があると認めるときは、指定期間が延長できます。
関税法第23条第4項にも、同様の規定があります。
4 税関長は、第一項の承認をする場合においては、相当と認められる積込みの期間を指定しなければならない。この場合において、その指定後災害その他やむを得ない理由により必要があると認めるときは、税関長は、その指定した期間を延長することができる。
関税法第23条第4項、令和7年6月1日施行
表示の命令ができる。
税関長は、表示の命令ができます。
4 税関長は、法第八十五条第一項、第八十七条の五第一項又は第八十八条の三第一項の承認をする場合において、必要があると認めるときは、その承認の申請者に対し、当該承認に係る酒類、製造たばこ又は特定物品である旨をその酒類、製造たばこ又は特定物品の容器又は包装に表示することを命ずることができる。
租税特別措置法施行令第45条の2第4項、令和8年1月1日施行
税関長は、租税特別措置法
・第85条第1項、消費税の免除
・第87条の5第1項、酒税の免除
・第88条の3第1項、たばこ税の免除
の承認をする場合に、必要があると認めるときは、
承認を申請した人に対して、
・酒類
・製造たばこ
・特定物品(船用品や機用品)
であることを
・酒類
・製造たばこ
・特定物品
の容器や包装に表示することを命令できます。
消費税などが免除されていることがわかるようにするためです。
積込む数量の計算方法
相当と認められる数量については、財務省令(租税特別措置法施行規則)に規定されています。
5 第二項に規定する相当と認められる数量に関し必要な事項は、財務省令で定める。
租税特別措置法施行令第45条の2第5項、令和8年1月1日施行
財務省令
(酒類の数量の計算方法)
租税特別措置法施行規則第34条、令和8年1月1日施行
第三十四条 外航船等に積み込もうとする酒類に係る施行令第四十五条の二第二項(施行令第四十五条の三第二項において準用する場合を含む。)に規定する相当と認められる数量は、当該酒類を積み込もうとする外航船等の旅客及び乗組員一人一日につき三百六十ミリリットル(当該酒類が酒税法(昭和二十八年法律第六号)第三条第十二号に規定するビールであるときは一・三リットルとし、同条第十五号に規定するウイスキー、同条第十六号に規定するブランデー又は同条第二十号に規定するスピリッツであるときは百四十四ミリリットルとする。)を基礎として計算するものとする。
外航船等に積み込もうとする「酒類」とあり、具体的に計算方法が規定されています。
原則的な計算方法
酒類を積み込もうとする外航船等の旅客と乗組員
1人1日につき360ミリリットルを基礎として計算する必要があります。
カッコ書き
ビールは、1.3リットル
ウイスキー・ブランデー・スピリッツは、144ミリリットルに変わります。
1日のアルコール適量(AI概要)の2倍強です。それ以上は飲みすぎだから積込みを認めないということなのでしょう。製造たばこには同様の規定がありません。
