今回は、法人税の役員給与の定期同額給与を確認します。
内容
個人事業者が会社などを作って自分(代表取締役や取締役など)に給料を支払う場合は、一定の要件を満たす場合、経費として処理することが可能です。
役員に対する給与
役員の給料を経費として処理するためには、
あとに出てくる「定期同額給与」に該当する必要があります。
ただし、その前に次の判定が必要です。
1、役員に対する給与かどうかを判定します。
役員でない場合は、原則として厳しい要件がありません。
2、役員に対する給与のうち次のものは判定から除外します。
・退職に関するもの(退職金)
・使用人兼務役員の使用人分の給与
・事実を隠蔽して経理したもの
・事実を仮装して経理したもの
上記の給与に該当することはほとんどないと思います。
3、残った給与について定期同額給与の判定をします。
定期同額給与とは
支給時期が1月以下の一定期間ごとである給与を「定期給与」といいます。通常は、毎月支払いです。1月以下が要件のため、2カ月に一度の支給は要件を満たしません。
次に、1事業年度の各支給時期における支給額が
同額であるものなどを「定期同額給与」といいます。
1月ごとに毎月同じ給料(役員報酬)であれば、経費になりますが、
定期同額給与に該当しない場合は、原則として経費になりません。
定期同額給与の趣旨
厳しい要件がある理由は、利益調整の排除です。
利益が出たら自分の給料を増やして法人の利益を圧縮する。
利益が出なかったら自分の給料を減らして法人の利益を確保するといった
利益調整を認めない規定です。
参考規定
(役員給与の損金不算入)
法人税法
第三十四条 内国法人がその役員に対して支給する給与(退職給与で業績連動給与に該当しないもの、使用人としての職務を有する役員に対して支給する当該職務に対するもの及び第三項の規定の適用があるものを除く。以下この項において同じ。)のうち次に掲げる給与のいずれにも該当しないものの額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
一 その支給時期が一月以下の一定の期間ごとである給与(次号イにおいて「定期給与」という。)で当該事業年度の各支給時期における支給額が同額であるものその他これに準ずるものとして政令で定める給与(同号において「定期同額給与」という。)