年末調整の所得金額調整控除

今回は、年末調整の所得金額調整控除を確認します。

内容

所得金額調整控除は、基礎控除の改正等により、
税負担の軽減を目的として設けられた制度です。

「給料がある場合」と「公的年金がある場合」と思っていましたが、
規定上は「確定申告の場合」と「年末調整の場合」で分かれています。

1、所得金額調整控除(措置法41条の3の3)
 1、給料が850万円を超える場合
 2、給料と公的年金がある場合
2、年末調整に係る所得金額調整控除(措置法41条の3の4)
 年末調整で1-1を使用する場合

確定申告で使用する場合を1で規定しておいて、
年末調整で使用する場合は2で追加規定しています。

実務上、見落とす可能性があるのは2の年末調整の方だと思います。

給料に関する所得金額調整控除の要件

先にチェックするのは給料収入です。
給料収入が850万円以下の人については関係ありません。
(12月の賞与等で850万円を超えそうな人は注意)

所得金額調整控除の対象となる人は、
給与収入が850万円を超える人で、次のいずれかに該当する場合です。
1、本人が特別障害者。
2、23歳未満の扶養親族がいる。
3、特別障害者の同一生計配偶者がいる。
4、特別障害者の扶養親族がいる。

注意点
・2の扶養親族については、特別障害者である必要はありません。
・4の扶養親族については、年齢要件がありません。
・子や配偶者などの合計所得金額が48万円以下であること。
・複数に該当しても控除額は同じ。

控除する金額

所得金額調整控除は、給与所得の金額からマイナスします。

給与所得の計算イメージ
1、給料収入
2、給与所得控除
3、1-2=給与所得の金額
4、3の給与所得の金額-所得金額調整控除=給与所得の金額

所得金額調整控除の計算方法
(給料収入※-850万円)×10%

※1000万円を超える場合は1000万円。
最高1000万円-850万円=150万円×10%=15万円の控除となります。

手続き

所得金額調整控除を使用する場合は、
給料をもらっている人が勤務先に対して、申告する必要があります。

申告書の名前
「令和4年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/r5bun_06.pdf

3つの申告書が1枚にまとまっています。
・給与所得者の基礎控除申告書
・給与所得者の配偶者控除等申告書
・所得金額調整控除申告書

用紙の下の方に、◆所得金額調整控除の記載欄がありますので
忘れずに記入しましょう。

PAGE TOP