年金所得の仮特別徴収がある場合の特別徴収


今回は、年金所得の仮特別徴収がある場合の特別徴収を確認してみましょう。

特別徴収の修正

4月1日から9月30にまでの間に仮特別徴収があった場合は、
10月1日から翌年3月31日までの特別徴収が修正されます。

規定を確認してみましょう。

2 当該年度の初日からその日の属する年の九月三十日までの間において前項の規定による特別徴収が行われた特別徴収対象年金所得者については、第三百二十一条の七の二第一項の規定の適用がある場合における第三百十九条の二第一項及び第二項、第三百二十一条の七の二第一項及び第二項並びに第三百二十一条の七の四から前条までの規定の適用にあつては、第三百二十一条の七の二第一項中「の二分の一に相当する額」とあるのは、「から第三百二十一条の七の八第一項に規定する年金所得に係る仮特別徴収税額を控除した額」とし、同条第三項の規定は、適用しない。

地方税法第321条の7の8第2項、施行日令和6年4月9日

読替規定なので、整理してみましょう。


第321条の7の2第1項
(公的年金等に係る所得に係る個人の市町村民税の特別徴収)の
規定の適用がある場合における

第319条の2(個人の市町村民税の普通徴収の手続)第1項及び第2項、
第321条の7の2(公的年金等に係る所得に係る個人の市町村民税の特別徴収)
第1項及び第2項並びに
第321条の7の4(年金保険者の特別徴収義務)から
前条までの規定の適用にあつては、

前条までの規定
第321条の7の5(年金所得に係る特別徴収税額の通知等)
第321条の7の6(年金所得に係る特別徴収税額の納入の義務)
第321条の7の7(年金所得に係る特別徴収税額の納入の義務を負わない場合等)

第321条の7の2第1項中「の二分の一に相当する額」とあるのは、
「から第321条の7の8第1項に規定する年金所得に係る仮特別徴収税額を控除した額」とし、同条第3項の規定は、適用しない。

※上記の同条第3項は、
読替え後の第321条の7の8第3項ではなく、
第321条の7の2第3項(残額の普通徴収)のこと

内容

第321条の7の2第1項は、
・公的年金等に係る所得に係る個人の市町村民税の特別徴収
を指しています。

要件にあてはまる人は、
1年前の税金の半分(1/2)を
普通徴収(自分で納める)ではなく、
特別徴収(年金から差し引く)により納付することになります。

年金の特別徴収がスタートした年は、
・4月1日から9月30日までは、普通徴収(自分で納付)
・10月1日から翌年3月31日までは、特別徴収(1年前の1/2相当額)
となりますが

2年目以後については、
・4月1日から9月30日までは、仮特別徴収(2年前の1/2相当額)
・10月1日から翌年3月31日までは、特別徴収(1年前の1/2相当額)
に変わります。

本来であれば、特別徴収は1年前の1/2相当額となりますが、
上半期で仮特別徴収(前払い)していますので、
仮特別徴収を差し引いた残りを特別徴収することになります。

特別徴収に移行していますので、普通徴収は不要となります。

計算例

例えば、次の場合で考えてみましょう。
・上半期の仮特別徴収が60,000円(20,000円が3回)
・税金の金額が90,000円(1/2相当額は45,000円)

特別徴収の金額は、1/2相当額の45,000円ではなく、
税金の金額90,000円-仮特別徴収60,000円=残り30,000円となります。

下半期(10月・12月・翌年2月)の3回で割ると
1回10,000円となります。

上半期は、仮特別徴収されていますので、
普通徴収による納付は不要となります。

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