今回は、役員報酬の改定のうち、
臨時改定と業績悪化改定を確認します。
3つの改定
次の3つの改定については、損金(経費)として処理が可能です。
- 事業年度開始日から3月以内等の改定(定期改定)
- 臨時改定
- 業績悪化改定
今回は、2の臨時改定と3の業績悪化改定を確認します。
臨時改定
臨時改定は、事業年度開始日から3月を超えた場合であっても、
利益調整がないものとして損金(経費)処理が認められています。
規定されている臨時改定は、次の3つです。
- 役員の職制上の地位の変更
- 役員の職務の内容の重大な変更
- 1と2に類するやむを得ない事情
役職が変わったり、仕事内容が変わったりした場合は、
臨時改定として役員報酬の改定が可能です。
やむを得ない事情とは、例えばケガによる入院で
一時的に仕事ができない場合などが該当します。
臨時改定と定期改定が重なった場合は、
定期改定が優先されます。
例えば、事業年度開始日から3月以内に、
役職変更、職務変更があった場合は、
定期改定の規定が適用されます。
関係通達
法人税基本通達9-2-12の3、職制上の地位の変更等
業績悪化改定
業績悪化改定は、事業年度開始日から3月を超えた場合であっても、
利益調整がないものとして損金(経費)処理が認められています。
ただし、減額した場合に限ります。
規定されている業績悪化改定は、次の2つです。
- 経営の状況が著しく悪化したこと
- 1に類する理由
業績悪化改定、臨時改定、定期改定が重なった場合は、
臨時改定や定期改定の規定が優先されます。
定期改定の期間中に業績悪化した場合は、定期改定の要件を満たせば、
業績悪化改定の判断は不要と考えられます。
改定の判定順序
1、定期改定(原則3月以内、特例で4月以内や指定月数以内)
2、臨時改定(3月、4月、指定月を超えても改定可能)
3、業績悪化改定(3月、4月、指定月を超えても改定可能)
関係通達
法人税基本通達9-2-13、経営の状況の著しい悪化に類する理由
参考規定など
法人税法施行令69条、定期同額給与の範囲等
イ、定期改定
ロ、臨時改定
ハ、業績悪化改定
国税庁資料、役員給与に関するQ&A