今回は、所得税の基礎控除の修正案を確認してみましょう。
基礎控除の修正案
基礎控除の修正案を確認してみましょう。
(令和七年分以後の各年分の基礎控除等の特例)
所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案
第四十一条の十六の二 令和七年分以後の各年分において、居住者のその年分の所得税に係る合計所得金額(所得税法第二条第一項第三十号の合計所得金額をいう。第一号において同じ。)が六百五十五万円(令和九年分以後の各年分にあつては、百三十二万円)以下である場合における同法第八十六条第二項に規定する基礎控除の額は、同条第一項の規定にかかわらず、同項第一号に定める金額に次の各号に掲げる年分の区分に応じ当該各号に定める金額を加算した額とする。
一 令和七年分及び令和八年分 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
イ その居住者のその年分の所得税に係る合計所得金額が百三十二万円以下である場合 三十七万円
ロ その居住者のその年分の所得税に係る合計所得金額が百三十二万円を超え三百三十六万円以下である場合 三十万円
ハ その居住者のその年分の所得税に係る合計所得金額が三百三十六万円を超え四百八十九万円以下である場合 十万円
ニ その居住者のその年分の所得税に係る合計所得金額が四百八十九万円を超える場合 五万円
二 令和九年分以後の各年分 三十七万円
対象となる年は、令和7年分以後。
合計所得金額が655万円以下の場合には、基礎控除を追加でプラスするという内容です。令和9年分以後については、合計所得金額の基準が132万円に下がります。
・第1号は、令和7年分と令和8年分
・第2号は、令和9年分以後
について規定されています。
第1号、令和7年分と令和8年分の合計所得金額が
イ、132万円以下 基礎控除37万円プラス
ロ、132万円超336万円以下 基礎控除30万円プラス
ハ、336万円超489万円以下 基礎控除10万円プラス
ニ、489万円超(655万円以下) 基礎控除5万円プラス
第2号、令和9年分以後の合計所得金額が132万円以下
基礎控除37万円プラス
132万円の意味
給料が200万円の場合に、合計所得金額(給与所得)が132万円となります。
給料200万円-給与所得控除68万円=給与所得132万円
改正後の給与所得控除
65万円+(給料200万円-190万円=10万円)×30%=68万円
所得税がかかるのか確認してみましょう。
修正案を考慮した後の基礎控除
・所得税法の基礎控除 48万円
・令和7年度の税制改正(所得税法) +10万円
・修正案(租税特別措置法) +37万円
合計しますと、48万円+10万円+37万円=95万円となります。
給与所得から基礎控除をマイナスして課税所得を計算しますと、
給与所得132万円-基礎控除95万円=課税所得37万円
課税所得がありますので、所得税は発生します。
所得税が発生しない給料は、160万円です。
給料160万円-給与所得控除65万円=給与所得95万円
給与所得95万円-基礎控除額95万円=課税所得0円
655万円の意味
給料が850万円の場合に、合計所得金額(給与所得)が655万円となります。
給料850万円-給与所得控除195万円(上限と同じ)=給与所得655万円
修正案を考慮した後の基礎控除
・所得税法の基礎控除 48万円
・令和7年度の税制改正(所得税法) +10万円
・修正案(租税特別措置法) +5万円
合計しますと、48万円+10万円+5万円=63万円となります。
給与所得から基礎控除をマイナスして課税所得を計算しますと、
給与所得655万円-基礎控除63万円=課税所得592万円となります。
所得金額調整控除の基準(給料850万円超)と合わせたのでしょうね。