今回は、所得税の賃上げ促進税制のうち
・前年の教育訓練費が0円の場合
・1月未満の取扱い
を確認してみましょう。
前年の教育訓練費が0円の場合
所得税の賃上げ促進税制は、
・全事業者向けの特例
・中堅事業者向けの特例
・中小事業者向けの特例
の3つがあります。
給与等については、特例の判定で使用する金額が
・全事業者向けの特例と中堅事業者向けの特例(継続雇用者比較給与等支給額)
・中小事業者向けの特例(比較雇用者給与等支給額)
で異なるため、規定が2つに分かれます。
2つに分かれますが取扱いは同じになります。
比較教育訓練費(前年)については、同じ金額を使用するため、
規定は1つだけです。ただし、取扱いが次の2つに分かれます。
・本年の教育訓練費が0円の場合(1号)
・本年の教育訓練費がある場合(2号)
本年の教育訓練費が0円の場合、
教育訓練費の増加割合の要件を満たしません。
本年の教育訓練費がある場合、
教育訓練費の増加割合の要件を満たします。
計算明細書(令和5年分以降用)を確認してみましょう。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/pdf/6-063.pdf
12欄_教育訓練費の額(本年の金額)
13欄_比較教育訓練費の額(前年の金額)
14欄_教育訓練費増加額(本年の金額-前年の金額)
15欄_教育訓練費増加割合(14欄÷13欄)
例えば、次の場合
12欄_教育訓練費の額(本年の金額) 5万円
13欄_比較教育訓練費の額(前年の金額) 0円
14欄_教育訓練費増加額(本年の金額-前年の金額)は、5万円となります。
15欄_教育訓練費増加割合(14欄÷13欄)は、
13欄の比較教育訓練費の額が0円のため、割合は0となります。
割合は0となりますが、教育訓練費の増加割合の要件を満たしますので、他の要件を満たした場合は割増しで所得税の控除が可能となります。
1月未満の取扱い
賃上げ促進税制は、1月未満の端数を1月として計算します。
対象となる規定は、次の6つです。
第13項_継続雇用者比較給与等支給額
(全事業者向け特例と中堅事業者向け特例)
第16項_相続があった場合の比較教育訓練費(前年の教育訓練費)
第17項_月別教育訓練費(教育訓練費の平均)
第18項_比較雇用者給与等支給額(前年の給料)の月数調整
第19項_相続があった場合の比較雇用者給与等支給額
第20項_比較月数が異なる場合の雇用安定助成金額の控除
参考規定
比較教育訓練費が0円の場合
25 法第十条の五の四第一項から第三項までの規定の適用を受けようとする個人のその適用を受けようとする年に係る同条第五項第七号に規定する比較教育訓練費の額が零である場合における同条第一項から第三項までの規定の適用については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定めるところによる。
租税特別措置法施行令第5条の6の4第25項、施行日令和6年10月1日
一 その年に係る教育訓練費の額が零である場合 法第十条の五の四第一項第二号イ、第二項第二号イ及び第三項第二号イに掲げる要件を満たさないものとする。
二 前号に掲げる場合以外の場合 法第十条の五の四第一項第二号イ、第二項第二号イ及び第三項第二号イに掲げる要件を満たすものとする。
1月未満は1月とする。
21 第十三項及び第十六項から前項までの月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
租税特別措置法施行令第5条の6の4第21項、施行日令和6年10月1日
新しいこと
・黒酢で活力