所得税の青色申告の申請はいつまでに?


今回は、所得税の青色申告の承認申請の期限について、
基本通達を含めて整理します。

青色申告承認申請書の提出が必要

青色申告をする際、事前に「青色申告承認申請書」を提出期限までに提出する必要があります。青色申告制度については、国税庁、タックスアンサーに記載されていますが、今回は申請期限についてまとめます。

No.2070 青色申告制度https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

青色申告を始める場合

青色申告承認申請書の提出期限は、その年3月15日です。

令和5年分の所得税から青色申告をする場合の提出期限は、
令和5年3月15日(水)までです。
新規開業の場合も、原則はその年3月15日が提出期限です。

新規開業した場合

1月16日以後新たに業務をスタートした場合は、その日から2月以内が提出期限となります。3月12日に業務を開始した場合、3月15日までに提出する必要はありません。

青色申告者の業務を承継した場合

新規の開業ではなく被相続人の業務を承継した場合、提出期限が異なります。法令ではなく、基本通達に取扱いが記載されています。

基本通達では被相続人が青色申告であれば、「被相続人の準確定申告期限までに提出して差し支えありません。」とあります。この期限は被相続人がなくなった日から4月以内です。

被相続人が白色申告であれば、承継した場合の取扱いは使えません。被相続人の準確定申告の期限は4月以内ですが、本人の青色申告の申請期限は3月15日か2月以内となるため注意が必要です。

被相続人が青色申告であれば、基本通達が利用できます。原則は、準確定申告期限までですが、準確定申告期限がみなし承認日より後になる場合は、みなし承認日が申請期限となります。

※みなし承認とは、税務署長から連絡がなければ承認(OK)として取り扱われる制度です。

このみなし承認日は、原則として12月31日です。例外的に11月1日以後に業務をスタートしたときは、翌年2月15日(確定申告提出期間の開始日の前日)となります。

整理すると、被相続人がなくなった日によって、
・被相続人の準確定申告期限(4月以内)
・その年12月31日(みなし承認)
・翌年2月15日(みなし承認)
の3パターンの申請期限があり、申請期限を逆算すると次の表となります。

被相続人がなくなった日申請期限
1月1日から8月31日まで被相続人の準確定申告期限
(4月以内)
9月1日から10月31日までその年12月31日まで
11月1日から12月31日まで翌年2月15日まで
承継の青色申請期限のまとめ

業務を承継した場合については、「相続」により業務を承継した場合となりますので、生前に業務を承継した場合は、基本通達の取扱いは使えません。申請期限は、原則の3月15日か2月以内となります。

参考規定

(青色申告)
第百四十三条 不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行なう居住者は、納税地の所轄税務署長の承認を受けた場合には、確定申告書及び当該申告書に係る修正申告書を青色の申告書により提出することができる。

(青色申告の承認の申請)
第百四十四条 その年分以後の各年分の所得税につき前条の承認を受けようとする居住者は、その年三月十五日まで(その年一月十六日以後新たに同条に規定する業務を開始した場合には、その業務を開始した日から二月以内)に、当該業務に係る所得の種類その他財務省令で定める事項を記載した申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

(青色申告の承認等の通知)
第百四十六条 税務署長は、第百四十四条(青色申告の承認の申請)の申請書の提出があつた場合において、その申請につき承認又は却下の処分をするときは、その申請をした居住者に対し、書面によりその旨を通知する。

(青色申告の承認があつたものとみなす場合)
第百四十七条 第百四十四条(青色申告の承認の申請)の申請書の提出があつた場合において、その年分以後の各年分の所得税につき第百四十三条(青色申告)の承認を受けようとする年の十二月三十一日(その年十一月一日以後新たに同条に規定する業務を開始した場合には、その年の翌年二月十五日)までにその申請につき承認又は却下の処分がなかつたときは、その日においてその承認があつたものとみなす。

所得税法
参考通達

(業務を承継した相続人が提出する承認申請書の提出期限)
144-1 青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けていた被相続人の業務を相続したことにより新たに法第143条《青色申告》に規定する業務を開始した相続人が提出する法第144条に規定する申請書については、当該被相続人についての所得税の準確定申告書の提出期限(当該期限が法第147条《青色申告書の承認があったものとみなす場合》の規定により青色申告の承認があったとみなされる日後に到来するときは、その日)までに提出して差し支えない。

所得税基本通達

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