今回は、法人の道府県民税のうち適格分割等があった場合の
控除未済外国法人税等額の引継ぎ事業年度を確認してみましょう。

内容

地方税法施行令第9条の7第20項には、
・適格合併
・適格分割等
があった場合の
控除未済外国法人税等額の引継ぎが規定されています。

今回確認する規定（第22項）は、
適格分割等に関する取扱いが規定されています。

規定をまとめたものを確認してみましょう。

第20項（第2号に係る部分に限る。）の規定の適用がある場合の
同項（第20項）の所得等申告法人の適格分割等の日の属する事業年度
以後の各事業年度における第19項（控除未済外国法人税等額の控除）の
規定の適用については、

その適格分割等に係る分割法人等の
分割等前3年内事業年度の控除未済外国法人税等額のうち、
同号（第2号）に規定するその所得等申告法人が
移転を受けた事業に係る部分の金額は、

その分割法人等の次の各号に掲げる分割等前3年内事業年度の区分に応じ、
その所得等申告法人のその各号に定める事業年度の
控除未済外国法人税等額として取扱う。

引継ぎ対象期間は、
分割法人等の分割等前3年内事業年度です。

分割等前3年内事業年度は、原則として
適格分割等の日の属する事業年度
開始の日前3年以内に開始した各事業年度をいいます。

引継ぎパターンは3つありますので、
それぞれ確認してみましょう。

開始日を基準する場合（第1号）

分割法人等の分割等前3年内事業年度「開始の日」を基準に
控除未済外国法人税等額を引き継ぎます。
（ただし、2号に該当する場合と3号の事業年度を除きます。）

終了日を基準とする場合（第2号）

次の2つの開始日を比較します。

・分割法人等のその適格分割等の日の属する事業年度開始の日
・所得等申告法人のその適格分割等の日の属する事業年度開始の日

分割法人の開始日の後に、
分割承継法人の開始日となる場合は、

分割法人等の分割等前3年内事業年度「終了の日」を基準に
控除未済外国法人税等額を引き継ぎます。

開始日、終了日を基準としない場合（第3号）

分割等前3年内事業年度が
所得等申告法人の分割承継等事業年度
開始の日以後に開始している場合、

所得等申告法人の分割承継等事業年度
開始の日の前日の属する事業年度に
控除未済外国法人税等額を引き継ぎます。

参考規定

適格分割等があった場合の控除未済外国法人税等額の引継ぎ

２２　第二十項（第二号に係る部分に限る。）の規定の適用がある場合の同項の所得等申告法人の適格分割等の日の属する事業年度以後の各事業年度における第十九項の規定の適用については、当該適格分割等に係る分割法人等の分割等前三年内事業年度の控除未済外国法人税等額のうち、同号に規定する当該所得等申告法人が移転を受けた事業に係る部分の金額は、当該分割法人等の次の各号に掲げる分割等前三年内事業年度の区分に応じ、当該所得等申告法人の当該各号に定める事業年度の控除未済外国法人税等額とみなす。
一　適格分割等に係る分割法人等の分割等前三年内事業年度（次号に掲げる場合に該当するときの分割等前三年内事業年度及び第三号に掲げる分割等前三年内事業年度を除く。）　当該分割法人等の分割等前三年内事業年度開始の日の属する当該所得等申告法人の各事業年度
二　適格分割等に係る分割法人等の当該適格分割等の日の属する事業年度開始の日が当該所得等申告法人の当該適格分割等の日の属する事業年度開始の日前である場合の当該分割法人等の分割等前三年内事業年度　当該分割法人等の分割等前三年内事業年度終了の日の属する当該所得等申告法人の各事業年度
三　適格分割等に係る分割法人等の分割等前三年内事業年度のうち当該所得等申告法人の分割承継等事業年度開始の日以後に開始したもの　当該所得等申告法人の分割承継等事業年度開始の日の前日の属する事業年度

地方税法施行令第9条の7第22項、施行日令和5年9月6日