法人税の所有権移転外リースの定義が変わる。


今回は、法人税の「所有権移転外リース取引」の定義を確認してみましょう。

経過措置の確認

令和7年度で所有権移転外リース取引の定義が変更されていますので、経過措置を確認してみましょう。
(規定は最後に掲載しています。)

「新令第48条の2」は、減価償却資産の償却方法が規定されています。

償却方法の規定は、
・第48条、平成19年3月31日以前に取得したもの
・新48条の2、平成19年4月1日以後に取得したもの
に分かれます。

第5項は用語の意義、第5号は「所有権移転外リース取引」が規定されています。

・「施行日」以後に締結するものは、新しい規定
・「施行日」前に締結するものは、改正される前の規定
が適用されることになります。

上記規定の施行日は、令和8年4月1日となります。
(原則の施行期日は令和7年4月1日ですが、
施行令第48条の2の改正規定については、別に規定されています。)

変更点

変更された内容を新旧対照表で確認してみましょう。

財務省、令和7年度税制改正 政令
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2025/seirei/index.html

新しい規定を確認してみましょう。

ロ 当該リース取引に係る賃借人に対しリース期間終了の時又はリース期間の中途において目的資産を買い取る権利が与えられており、かつ、当該権利が目的資産を著しく有利な価額で買い取るものであることその他の事情により当該権利が行使されることが確実であると見込まれるものであること。

改正される前の規定を確認してみましょう。

ロ 当該リース取引に係る賃借人に対し、リース期間終了の時又はリース期間の中途において目的資産を著しく有利な価額で買い取る権利が与えられているものであること。

比較してみますと

新しい規定は、
1、目的資産を買い取る権利がある。
2、権利行使が確実であると見込まれる。

改正される前の規定は、
1、目的資産を著しく有利な価額で買い取る権利がある。

の違いがあります。

目的資産を買い取る権利があることは同じですが、
新しい規定では「著しく有利な価額」の要件が外れています。

「当該権利が目的資産を著しく有利な価額で買い取るものであること」は、事情の例示であって、他の事情であっても権利行使されることが確実であると見込まれるものについては、所有権移転外リース取引に該当しない(=所有権移転リースに該当する)ことになるのでしょう。

参考規定

第七条 新令第四十八条の二第五項第五号の規定は、法人(人格のない社団等を含む。以下同じ。)が施行日以後に締結する同号に規定する所有権移転外リース取引に係る契約について適用し、法人が施行日前に締結した旧令第四十八条の二第五項第五号に規定する所有権移転外リース取引に係る契約については、なお従前の例による。

法人税法施行令、附則(令和七年三月三一日政令第一二一号)抄、第7条第1項
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