法人課税信託と金地金等の仕入れ等との関係


今回は、法人課税信託と金地金等の仕入れ等との関係を確認してみましょう。

金などを購入した場合の特例と法人課税信託

令和6年度の改正で導入されることとなった
・金などを購入した場合の特例

金などをたくさん買った場合は、
一定期間、消費税を納める事業者となる特例です。

法人課税信託の固有事業者や受託事業者が
金などを購入した場合のどのように判定するのでしょうか?

規定を確認してみましょう。

7 固有事業者又は受託事業者が法第十二条の四第三項に規定する金地金等の仕入れ等を行つた場合における当該固有事業者に係る第二十五条の五第四項の規定の適用については、同項中「事業者が」とあるのは「固有事業者(法第十五条第四項に規定する固有事業者をいう。以下この項において同じ。)のその課税期間における」と、「同項」とあるのは「法第十二条の四第三項」と、「を行つた課税期間中の当該金地金等の仕入れ等に係る」とあるのは「に係る」と、「合計額(」とあるのは「合計額(以下この項において「金地金等の仕入れ等の額」という。)(」と、「)で」とあるのは「以下この項において同じ。)で」と、「金額)」とあるのは「金額)に、当該固有事業者の当該課税期間中に終了した当該固有事業者に係る各法人課税信託等(法第十五条第一項に規定する法人課税信託等をいう。)の受託事業者(法第十五条第三項に規定する受託事業者をいう。)の各課税期間における金地金等の仕入れ等の額の合計額(当該各課税期間の月数の合計数が十二を超える場合には、当該合計額を当該合計数で除し、これに十二を乗じて計算した金額)の合計額を加算した金額」とする。

消費税法施行令第27条第7項、施行日令和6年4月1日

読替後を太文字にしています。

読替規定の内容

読替規定なので、該当する規定を確認する必要があります。

「法第十二条の四第三項に規定する金地金等の仕入れ等を行つた場合における当該固有事業者に係る第二十五条の五第四項の規定の適用については」

とありますので、読み替えの対象は第25条の5第4項です。
確認してみましょう。

4 法第十二条の四第三項に規定する政令で定める場合は、事業者が金地金等の仕入れ等(同項に規定する金地金等の仕入れ等をいう。以下この項及び次条第二項において同じ。)を行つた課税期間中の当該金地金等の仕入れ等に係る課税仕入れに係る支払対価の額の百十分の百に相当する金額及び保税地域から引き取つた当該金地金等の仕入れ等に係る課税貨物の課税標準である金額の合計額(当該課税期間が一年に満たない場合には、当該合計額を当該課税期間の月数(当該月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。)で除し、これに十二を乗じて計算した金額)が二百万円以上である場合とする。

消費税法施行令第25条の5第4項、施行日令和6年4月1日

「金などをたくさん買った場合は」のたくさんの基準が規定されています。
原則として1年間で200万円以上です。

上記の規定を読み替えてみましょう。

4 法第十二条の四第三項に規定する政令で定める場合は、固有事業者(法第十五条第四項に規定する固有事業者をいう。以下この項において同じ。)のその課税期間における金地金等の仕入れ等法第十二条の四第三項に規定する金地金等の仕入れ等をいう。以下この項及び次条第二項において同じ。)に係る課税仕入れに係る支払対価の額の百十分の百に相当する金額及び保税地域から引き取つた当該金地金等の仕入れ等に係る課税貨物の課税標準である金額の合計額(以下この項において「金地金等の仕入れ等の額」という。)(当該課税期間が一年に満たない場合には、当該合計額を当該課税期間の月数(当該月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。以下この項において同じ。)で除し、これに十二を乗じて計算した金額)に、当該固有事業者の当該課税期間中に終了した当該固有事業者に係る各法人課税信託等(法第十五条第一項に規定する法人課税信託等をいう。)の受託事業者(法第十五条第三項に規定する受託事業者をいう。)の各課税期間における金地金等の仕入れ等の額の合計額(当該各課税期間の月数の合計数が十二を超える場合には、当該合計額を当該合計数で除し、これに十二を乗じて計算した金額)の合計額を加算した金額が二百万円以上である場合とする。

結論は、固有事業者と受託事業者の金額を合計して
・200万円以上
の場合に特例の要件を満たすことになります。

固有事業者の計算

固有事業者の計算を確認してみましょう。

固有事業者(法第十五条第四項に規定する固有事業者をいう。以下この項において同じ。)のその課税期間における金地金等の仕入れ等法第十二条の四第三項に規定する金地金等の仕入れ等をいう。以下この項及び次条第二項において同じ。)に係る課税仕入れに係る支払対価の額の百十分の百に相当する金額及び保税地域から引き取つた当該金地金等の仕入れ等に係る課税貨物の課税標準である金額の合計額(以下この項において「金地金等の仕入れ等の額」という。)(当該課税期間が一年に満たない場合には、当該合計額を当該課税期間の月数(当該月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。以下この項において同じ。)で除し、これに十二を乗じて計算した金額)に、

・国内で購入する場合は税抜金額
・輸入する場合は課税標準の金額
この2つを合計したものを「金地金等の仕入れ等の額」といいます。

課税期間(計算期間のこと)が1年未満の場合は、
12月相当に換算する必要があります。

例えば、次の場合
・国内仕入、税抜金額80万円
・輸入仕入、課税標準40万円

合計すると120万円となります。

計算期間が6月の場合は、
120万円÷6月×12月=240万円となります。

受託事業者の計算

受託事業者の計算を確認してみましょう。

当該固有事業者の当該課税期間中に終了した当該固有事業者に係る各法人課税信託等(法第十五条第一項に規定する法人課税信託等をいう。)の受託事業者(法第十五条第三項に規定する受託事業者をいう。)の各課税期間における金地金等の仕入れ等の額の合計額(当該各課税期間の月数の合計数が十二を超える場合には、当該合計額を当該合計数で除し、これに十二を乗じて計算した金額)の合計額を加算した金額が二百万円以上である場合とする。

固有事業者の計算期間と異なり、受託事業者の計算期間は、固有事業者の課税期間中に「終了」した受託事業者の課税期間となります。

金額の計算方法は、固有事業者と同じです。

固有事業者と受託事業者の合計金額が200万円以上の場合に、一定期間、消費税を納める事業者となります。


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