海軍販売所等に対する物品の譲渡に係る消費税の免税_令和8年11月1日以後


今回は、海軍販売所等に対する物品の譲渡に係る消費税の免税の改正後の規定を見てみましょう。

改正後の取り扱い

今回確認する規定は、こちらです。
令和8年11月1日に法令が変わります。

第八十六条の二 事業者が、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第十五条第一項(a)に規定する海軍販売所又はピー・エックス(以下この条において「海軍販売所等」という。)に対し、同協定第一条に規定する合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにこれらの家族(以下この条において「合衆国軍隊の構成員等」という。)が輸出する目的で海軍販売所等から政令で定める方法により購入する物品(消耗品その他の財務省令で定めるものを除く。以下この条において「免税対象物品」という。)を譲渡する場合には、当該免税対象物品の譲渡については、消費税を免除する。

租税特別措置法第86条の2第1項、令和8年11月1日施行

事業者(個人事業者と法人)が、

日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(日米地位協定)

第15条第1項(a)に規定する
1、海軍販売所
2、ピー・エックス(売店)
(海軍販売所等といいます。)に対し、

同協定(日米地位協定)第1条に規定する
1、合衆国軍隊の構成員及び軍属
2、これらの家族
(合衆国軍隊の構成員等といいます。)が輸出する目的で海軍販売所等から政令(租税特別措置法施行令)で定める方法により購入する物品(免税対象物品)

を譲渡(販売)する場合には、免税対象物品の譲渡については、消費税が免除されます。

カッコ書きにより、財務省令で定めるもの(例、消耗品)が物品の範囲から除外されます。消耗品は、消費税が免除されないため原則として消費税が課税されます。

消費税が免税されない場合

消費税の免税を証明する書類の保存が必要です。
保存しない場合は、原則として消費税が課税されます。

参考規定、書類の保存が必要

2 前項の規定は、免税対象物品の譲渡をした事業者が、当該免税対象物品が合衆国軍隊の構成員等によつて同項に規定する政令で定める方法により購入されたことを証する書類を、政令で定めるところにより保存しない場合には、適用しない。ただし、既に次項本文若しくは第五項本文(第六項において準用する場合を含む。)の規定の適用により消費税が徴収された場合又は災害その他やむを得ない事情により当該書類を保存できなかつたことを当該事業者において証明した場合は、この限りでない。

租税特別措置法第86条の2第2項、令和8年11月1日施行

前項(第1項、消費税の免税)の規定は、適用しないと規定されています。

要件を見てみましょう。

免税対象物品を販売した事業者が、

その免税対象物品が合衆国軍隊の構成員等によって
同項(第1項、消費税の免税)に規定する
政令で定める方法により購入されたことを証する書類(免税証明書類)を

政令で定めるところにより保存しない場合が要件です。

例外は、2つ。

例外が、2つあります。

1、別の規定により消費税が徴収された場合
2、やむを得ない事情(例、災害)により、消費税が免除されることを証明する書類の保存ができなかったことを免税物品の販売事業者が証明した場合

は、消費税が免除されます。

別の規定は、
1、次項(第3項)本文
2、第5項本分(第6項において準用する場合を含む。)
の2つです。

改正前(現行)の規定は、輸出物品販売場(消費税法第8条)の規定を準用する規定ですが、輸出物品販売場の規定が改正されるため、租税特別措置法に規定し直されます。

免税対象物品

免税対象物品から除外されるものは、原則として消費税が課税されます。
下記の規定に、列挙されているものです。

(免税対象物品から除かれる物品の範囲)
第三十七条 法第八十六条の二第一項に規定する財務省令で定める物品は、次に掲げる物品とする。
一 通常生活の用に供する物品のうち食品類、飲料類、薬品類、化粧品類その他の消耗品
二 金及び白金の地金その他通常生活の用に供しないもの

租税特別措置法施行規則第37条、令和8年11月1日施行

1、通常生活の用に使用する物品のうち、消耗品

・食品類
・飲料類
・薬品類
・化粧品類
の4つは消耗品の例示です。

2、金や白金の地金、その他通常生活の用に使用しないもの

1の通常生活の用に使用する物品で消耗品以外のものは、
例えば、次の物品です。
・家電製品
・衣服
・着物
・時計
・カバン

「その他」と規定されているため、「その他」の前に規定されている金や白金の地金は、通常の生活に使用するかどうか関係なく、免税の対象から除外されます。

「通常生活の用に使用する」ものに限定されているため、事業に使用するものは免税となりません。

取引の流れ

事業者
↓
↓ 消費税法で課税売上
↓ 措置法の要件を満たせば、免税売上 ← 今回確認した内容
↓
海軍販売所等
↓
↓ 日米地位協定により非課税売上(国内取引) ← 裁決事例
↓
衆国軍隊の構成員等

 ↓
 ↓ 出国
 ↓
 海外

参考リンク、現行の取り扱い
海軍販売所等に対する物品の譲渡に係る消費税の免税

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