消費税が免除される場合(輸出免税)_非居住者との取引


今回は、消費税が免除される場合(輸出免税)のうち、非居住者との取引を確認してみましょう。

非居住者

消費税が課される取引であっても、買い手が「非居住者」の場合は、消費税が免除されることがあります。

この非居住者は、所得税法の非居住者ではなく、
・外国為替及び外国貿易法
に規定する非居住者をいいます。

定義を確認してみましょう。

五 「居住者」とは、本邦内に住所又は居所を有する自然人及び本邦内に主たる事務所を有する法人をいう。非居住者の本邦内の支店、出張所その他の事務所は、法律上代理権があると否とにかかわらず、その主たる事務所が外国にある場合においても居住者とみなす。
六 「非居住者」とは、居住者以外の自然人及び法人をいう。

外国為替及び外国貿易法第6条第1項第5号と第6号、令和7年6月1日施行

・日本に住所や居所がある個人(自然人)
・日本に主たる事務所がある法人
を「居住者」といいます。

居住者以外の個人と法人を「非居住者」といいます。
非居住者の日本支店などは、居住者として取り扱われます。

資産の売却や貸付け

消費税が免除される取引は、全部で7つあります。
6つ目は、非居住者に対する一定の資産の売却や貸付けです。

六 第六条第一項第四号から第八号までに掲げる資産の譲渡又は貸付けで非居住者に対して行われるもの

消費税法施行令第17条第2項第6号、令和7年4月1日施行

消費税法施行令第6条第1項は、国内取引の判定に関する規定です。第4号から第8号までの資産(権利関係)を確認してみましょう。

第4号の資産
・鉱業権
・租鉱権
・採石権等(試掘権を除く。)
・試掘権
・樹木採取権

第5号の資産
・特許権
・実用新案権
・意匠権
・商標権
・回路配置利用権
・育成者権
(上記の権利を利用する権利を含みます。)

第6号の資産
・公共施設等運営権
・漁港水面施設運営権

第7号の資産
・著作権(出版権や著作隣接権その他これに準ずる権利を含みます。)
・特別の技術による生産方式とこれに準ずるもの

第8号の資産
・営業権
・漁業権
・入漁権

上記の資産を非居住者に売却や貸付けした場合は、消費税が免除されます。

サービスの提供

7つ目は、非居住者に対するサービスの提供です。

七 法第七条第一項第三号、前項第三号及び第一号から第五号までに掲げるもののほか、非居住者に対して行われる役務の提供で次に掲げるもの以外のもの
イ 国内に所在する資産に係る運送又は保管
ロ 国内における飲食又は宿泊
ハ イ及びロに掲げるものに準ずるもので、国内において直接便益を享受するもの

消費税法施行令第17条第2項第7号、令和7年4月1日施行

非居住者に対するサービスの提供で
イ、日本にある資産の運送や保管
ロ、日本での飲食や宿泊
ハ、上記2つに準ずるもので、日本で直接便益を受けるもの
以外のものについては、消費税が免除されます。

参考となる消費税法基本通達
7-2-16、非居住者に対する役務の提供で免税とならないものの範囲


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